インストールから使用開始まで
これらソフトの言う「高速で軽量」とは、パソコンに負荷をかけないということだ。具体的にはCPUへの負荷を低減し、メモリー使用量を抑えることなのだが、結果的に目指しているのは、ユーザーのパソコン利用を優先して、操作を邪魔しないということであろう。ウイルス対策ソフトの場合は、インストール時からも操作性や利便性を問うべきかも知れない。
今回はCD-ROMメディアからのインストールを行なった。インストーラーでは使用許諾契約の同意と、20~25桁のプロダクトキーを入力する必要はあるが、その後は1~2ステップのマウスクリックで導入が完了する。バックグラウンドで動作するサービスなども組み込まれ、そのままVistaを再起動する必要もない。
困ったのはインストール直後のアカウント登録だ。NIS2009のオンライン登録は、メールアドレスと任意のパスワードを送信するだけでよく、登録をスキップしてもソフト自体は正常に動作する。しかしウイルスバスター2009では、利用者の住所氏名・電話番号・メールアドレスなど詳細な個人情報を送信・登録しない限りは、「アップデート機能が利用できません」と表示されて、プログラムが有効にならない(ファイアウォールが無効状態のまま。ただしこの状態でも、手動でのアップデートは可能)。
ユーザー登録は、ソフトウェアの不正利用の防止やトラブル時の連絡先把握に必要なのだろうが、個人情報漏えいを嫌うユーザーでは、ここまで詳細な入力には抵抗があるだろう。しかも不正侵入対策が施される前であるわけだから、この時点のネットワーク接続は、本来不用であってほしいものだ。
インストールに必要なHDD容量は、Vistaの「プログラムのアンインストールまたは変更」によると、NIS2009が約11MB、ウイルスバスター2009が約690MBとなっている。この値はVistaが監視している容量で、実際のHDD占有量を示しているのではない※1。インストール/アンインストールに要した時間は、NIS2009が圧倒的に短かった。Vistaのファイアウォールなど、既存サービスの停止・再開処理の違いが出ていると思われる。
※1 NIS2009のシステム要件では、200MB以上のHDD空き容量が必要。ウイルスバスター2009のシステム要件では、500MB以上のHDD空き容量が必要。
外部に持ち出すモバイルノートこそ、パーソナルファイアウォールなどのセキュリティー機能を欲するものだが、流行のEee PCなどでは、HDD代わりのSDメモリーカードは容量が厳しい。ユーザーの使い方に合わせて、容量面でも適当な製品を選ぼう。