ちなみにカメラの外観は撮影NGだったが、位置的には一般的な人の目よりも少しだけ高いくらい? もちろんこれはプライバシーなどに配慮した結果とのこと。車の中にはキューブPC+液晶モニタのシステムが設置されているほかは、思ったより普通の車である。そして走り出すと360度の撮影データをキューブPCに繋がったHDDにドンドコ貯めていく。
よく考えれば当たり前の話だとはいえ、走行速度は常に一定ではなく(もちろん法定速度内!)、普通に赤信号にも止まります(そりゃそうだ!)。実際の撮影日は街中をひたすら走り回ってデータを貯め込み、会社に戻ってきて映像を1メートルに1コマずつに編集し直すから、別に速度は関係ないというわけ。だから、ロケーションビューのサービス上では途中隣に走っている車や人が動いたり消えたりするのですな。
録画データが貯まったら、その次は編集作業。前述のキューブPCもそうなのだが、GPSも汎用品を使っているため、録画したデータと撮影位置がずれることもたまに発生する。そこで改めて地図と映像のひも付けを行う。
さらに欠かせないのが「顔消し」と「ナンバー消し」の作業。最初にソフトウェアの自動処理で顔の部分にぼかしを入れていく。でも100%認識されるわけじゃないよね。と思ったら、人間の目視確認も必ずしており、マウスでグリグリと地図を進めながら、ぼかし漏れがあった人の部分をクリックするとぼかしが入る。なかなか高度なシステムで山崎マキコさん、ビズアスの編集者ともども感心しきりである。
これらのシステムは自社開発で、特に後者のソフトウェアについては本格的にビジネス展開していくためにも、専門知識を持たないオペレーターでも操作できることを意識して練り上げたとのこと。ちなみに売れっ子作家であるはずの山崎マキコさんもオペレーターの仕事に応募しようと考えていた。
そんなわけでロケーションビューの皆さんに色々話をうかがった半日だったが、映像付きの地図データをビジネス化しようとする本気さが伝わってくる取材だったことを最後に付け加えておきたい。