ハイアマチュア向けデジタル一眼レフ機。2008年秋冬商戦の目玉はやはり35mmフルサイズ機だ。長らくキヤノンの「EOS 5D」が独り占めしてきたこの席。今年に入りニコンとソニーも名乗りを上げた。フルサイズの利点はなにか? 死角はないか? APS-C機とフルサイズ機の違いを「ニコンD700」と「ニコンD300」を例にまとめた。
撮像素子のサイズによって変わる3つの要素
まず、フルサイズ機とAPS-Cサイズ機で大きく異なるのが、画角である。縦横のサイズが約1.5倍にデカくなるぶん、同じレンズでも広い範囲が写る。一番利いてくるのは、広角撮影時。風景を広く遠近感を生かして撮影したい場合に有利だ。
左がD700の35mm、右がD300の24mm。D300の画角は35mmフィルム換算で36mm相当となり、ほぼ同じ範囲が切り取られていることが分かる。ともにISO 200、F8、1/500秒での撮影だが、若干D300のほうが明るく写っている。色味に関してはほとんど差がなく統一感がある
一方、APS-Cサイズ機では、写る範囲は狭まる。つまり、同じレンズ/ズーム位置でも被写体がよりアップになるのだ。広角だと周囲が入らず、ちょっと歯がゆい印象になるが、望遠撮影時であれば逆により対象が大きく写せる。D700にはクロップモードという機能があるが、これは撮像素子の中央(APS-Cと同じサイズ)だけを使うことで、気軽に1.5倍の望遠効果を得るものだ。
