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世界初、実用的な光のトランジスタを開発

トランジスタ新時代が到来!

2008年06月18日 13時00分更新

文● 丸子 かおり

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 トランジスタと聞いて「トランジスタラジオ」など懐かしい言葉を思い出す人はいますか? 筆者もだけど……。しかし、電子部品としてのトランジスタはデジタル機器が幅をきかせる今でも、機器類の電子的なスイッチの役割を果たす重要なパーツだ。そんなトランジスタに、次世代を担う新型が誕生したので紹介しよう。

光で光を制御するトランジスタ

 近未来型トランジスタでまず紹介したいのが、近畿大学理工学部の前田佳伸准教授とタツタ電線(株)の共同研究チームが開発したモノ。なんと光を使ったトランジスタだそうで。

トランジスタ

真ん中のチップが近畿大学理工学部とタツタ電線が共同開発した小型光トランジスタだ(提供:近畿大学)

 今までの電気によるトランジスタとどう違うのか? 前田准教授にお話をうかがったところ、「これまでのトランジスタは、電気信号で電気信号を制御するものでした。しかし、光版トランジスタ(光トライオード)では、光信号で光信号を制御し、光信号を入力すると光信号を増幅する半導体光増幅器を2段用いた構成になっています」とのこと。

 さらに従来のトランジスタとの用途の違いについても語ってくれた。「光版トランジスタは、光信号を用いる分野に使われます。例えば、光通信などの分野です。現在の光通信では、電気信号を光信号に変換して光ファイバで光信号を伝送しますが、光信号を再度電気信号に変換して種々の制御を行っています。光信号を電気信号に変換することなしに、光信号で直接制御する用途に用います

トランジスタ

光版トランジスタの開発に携わっている前田准教授(提供:近畿大学)

 なお、光トランジスタが電気トランジスタより優れたところは、光信号を扱う分野において、制御するために逐一電気信号に変換する必要がないので、高速化やエネルギー消費の点などで有利になること。これまでも光によるトランジスタの研究はあったものの、今回、共同研究チームが開発したのは、小さな光で制御でき、小型化が可能というモノ。試作されたモジュールは16mm×20mmの大きさだという。

 この光トランジスタの開発により、将来的には光通信や車載光LAN、音響機器など幅広い分野で、光信号での制御が可能になるのである。

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カーボンナノチューブに関して、誤った記述がありました。訂正してお詫びいたします。

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