生殖細胞には、卵子と精子があることはご存じの通り。そして、卵子は卵巣から生み出され精子が精巣から生み出されることは、保健体育の授業で習ったかと思う。だけど、生殖細胞の誕生が決定づけられる過程となると……これは今まで謎とされていた。
何がきっかけで細胞が体細胞ではなく生殖細胞になるのか? 多くの科学者が研究する中、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターでは、生殖細胞の誕生にかかわっている遺伝子群の解明に成功したのだ。
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| 様々な生育日数の胚から始原生殖細胞が生まれる場所を切り出して、始原生殖細胞が形成される過程のどこにBlimp1遺伝子が登場するか調査したところ、受精後から6.5日目に始原生殖細胞と共に現われた。(提供:理化学研究所) |
研究チームはマウスを使った実験で、マウスのさまざまな時期の胚を使い、この時期の始原生殖細胞(生殖細胞の起源となる細胞)で、どの遺伝子が発現しているのかを調べた。
その結果、始原生殖細胞の誕生過程に主に「Blimp1」と呼ばれる遺伝子が体細胞化をコントロールして、始原生殖細胞に分化させていることががわかった。Blimp遺伝子が、細胞が分化するときに生殖細胞の元である始原生殖細胞になるように誘導しているのだ。また「Blimp1」を持たない胚で同様の実験を試してみたところ、Blimp遺伝子の時にもかなり不完全なものでありながらも始原生殖細胞へ分化していたこともわかった。
このふたつの実験により、Blimp遺伝子が始原生殖細胞への分化のメインの誘導役をはたしていることが判明した。また、Blimp遺伝子抜きで実験したときに不完全な胚を作ったことから、Blimp遺伝子以外にも未知のシステムがあるのではないか? ということが判明したのである。
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| 中胚葉がどのように分化していくか示した図。Blimp1が生殖細胞発生をコントロールしている。 |
以上のように、生殖の元となる生殖細胞誕生のメカニズムが徐々に解明されつつあるのだ。今回、研究チームは生殖細胞の誕生機構に関与している遺伝子とその動きを解明したが、今後、この研究成果を活かして、人体を構成するあらゆる細胞系譜を規定する遺伝子群の解明へとつながっていくに違いない。















