1本のUSBメモリが、サーバ仮想化の敷居をぐっと下げることになるかもしれません。日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月7日、サーバ組み込み型の仮想化ソリューション「HP ProLiant iVirtualization」を発売しました。出荷開始は5月下旬から。
このソリューション、同社のサーバ「ProLiant」シリーズを購入する際に、あらかじめ仮想化ソフトを組み込んで出荷する、というオプション製品。仮想化ソフトのインストールやライセンスキーの入力が不要となり、仮想化導入のための作業負担が減るメリットがあります。
ユニークなのは、その組み込み方法。仮想化ソフトを組み込むのはHDDではなくてUSBメモリで、このUSBメモリをサーバ内部にあるUSBポートに装着した状態で出荷。ユーザーは、USBブートで起動し、仮想マシンの作成やOSのインストールといった作業をすぐに開始できます。
USBメモリを採用したことで、HPとしても組み込みのための作業負担が軽く、既存の多くの機種の対応できるのが特徴だとか。現在の対応サーバは、タワー型×1機種、ラックマウント型×4機種、ブレード型×5機種の計10機種で、BTOにも対応。ハードディスクレス構成も選択可能となっています。
また、このUSBメモリ内には、HPの統合管理コンソール「HP Systems Insight Manager」の管理エージェント機能も組み込み済み。別途、SIMのライセンスは必要ですが、複数の物理サーバ/仮想サーバを1つのコンソールで束ねることができるので、導入だけでなく運用管理面も楽になりそうです。
価格は、基本機能に絞った「VMware ESXi 3.5 for HP ProLiant Standalone」が3万9900円から。上位版の同「Enterprise」が79万8000円からとなっています。ちなみに、HP ProLiant iVirtualizationはあくまでもProLiantのオプション。サーバと一緒に購入することが前提で、単体での購入はできないので念のため。
今後は、「Citrix XenServer」「Microsoft Hyper-V」といった他の仮想化ソフトを組み込んだ製品も順次ラインナップしていく予定とのこと。日本HPでは、「ここ1~2年でProLiantの出荷台数の20%ほどを仮想化用途として伸ばしたい」(エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ソフトウェア・プロダクト&HPCマーケティング部 赤井 誠部長)とのことなので、iVirtualizationで手軽にサーバ仮想化を始めるユーザーも増えるかもしれませんね。