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日本HP、サーバのネットワークとストレージ接続を仮想化する「HPバーチャルコネクト」を発売

2007年02月23日 21時54分更新

文● アスキービジネス編集部

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22日、日本HPは同社の第3世代ブレードサーバ「BladeSystem c-Class」においてネットワークとストレージ接続の仮想化を実現する「HPバーチャルコネクト」を発表した。出荷開始は3月上旬の予定。

大幅に強化された「BladeSystem c-Class」

 22日、日本HPは同社の第3世代ブレードサーバ「BladeSystem c-Class」に関連する新製品、新サービスを発表した。後述の「HPバーチャルコネクト」以外の内容は、それぞれ以下のとおりだ。

  1. 通常よりも割安なVMware Infrastructure 3 Enterpriseのブレード専用ライセンス
  2. 工場組み込み型サーバ導入サービス「HP Factory Express」拡充
  3. c-ClassエンクロージャーでのAC100ボルト電源サポート
  4. AMD Opteron 2220/8220を搭載したBladeSystem c-Classの新製品追加

「BladeSystem c-Classは妥協不要なプラットフォーム」

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 担当部長 正田三四郎氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 担当部長 正田三四郎氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 担当部長の正田三四郎氏は、BladeSystem c-Classをこのように表現し、価格、CPUの個数、拡張性などの点で、ラックマウント型と比較して劣る点のない製品であることを指摘、さらに「HPバーチャルコネクト」が新しい「付加価値」となることを説明した。

 正田氏は、仮想化システムの導入によるリソースの利用効率化を阻害する原因として、社内の「サイロ化」を指摘する。サイロ化とは、サーバ、ネットワーク、ストレージ、設備の管理がそれぞれ別の部門で行なわれており、サーバの故障により交換するだけでも多くの時間と手間がかかる状況を表わしている。そして「HPバーチャルコネクト」はサイロ化に対する現実的な解決策であると訴えた。

シンプルな仕組みでI/O仮想化を実現するバーチャルコネクト

「ビジネスの場における『ITシステム変更力』の重要性が増している」

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 山中伸吾氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 山中伸吾氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部の山中伸吾氏は、このように述べ、企業間のM&Aの際に生じるシステム統合の必要性や、事業のスクラップ&ビルドの際にITリソースを迅速に別の用途へと転換することの重要性を訴えた。

 山中氏はシステム変更に時間がかかる理由として、NICのMACアドレスや、ホストバスアダプタのWWN(ワールドワイドネーム)といった物理アドレスがハードウェアごとに異なる点を指摘する。実際、サーバの交換や増設の際には設定の変更が必要になり、サーバ、ネットワーク、ストレージの管理部門間でのやり取りが生じるという。

 HPバーチャルコネクトは、上述の問題を解決できるI/O仮想化の仕組みを実現する。具体的にはこれまでハードウェアに紐つけられていたMACアドレスやWWNを仮想化し、ブレードシステムのエンクロージャー(正確には各スロット)に仮想のMACアドレス、WWNを割り当てることができる。このため、物理サーバを交換する際にも、ブレードサーバの外側からは物理アドレスは変更していないように見えるのだ。

 また各種の設定は、Webブラウザを用いたGUIツールにより簡単に行なえるようになっており、ネットワーク管理に長けていないサーバ管理者でも利用できるようになっている。

 HPバーチャルコネクトの価格はLAN仮想化モジュール(イーサネット)が79万8000円、SAN仮想化モジュール(ファイバチャネル)が134万4000円(いずれも税込)。2月22日より発注の受付が開始され、3月上旬より出荷が開始される予定。

エンクロージャーに装着された「HPバーチャルコネクト」モジュール。飛び出しているのが、LAN仮想化モジュール

エンクロージャーに装着された「HPバーチャルコネクト」モジュール。飛び出しているのが、LAN仮想化モジュール

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