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ベトナム人が(半分)作ったサイボウズ

2008年04月22日 01時42分更新

文● 小橋川誠己/アスキーネタ帳編集部

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グループウェアソフト、サイボウズの最新版は、新機能の半分をベトナムで開発したそうです。


ベトナム人が(半分)作ったサイボウズ

ベトナムでの開発を担当したC.S.Factoryのプロジェクトマネージャー グェン クォック チーさん(ビデオメッセージより)

 4月14日に発売された大企業向けのグループウェア「サイボウズ ガルーン 2 バージョン2.5.0」(ガルーン2.5)は、サイボウズにとって初めての本格的なオフショア開発を実施。スケーラビリティの向上(1万人規模の同時利用が可能に!)、全文検索やリマインダーといった新機能のうち、約半分をベトナムで開発したとのこと。特に、リマインダー機能に関してはほぼすべてベトナムでフルスクラッチ開発されたものなんだとか。

ベトナム人が(半分)作ったサイボウズ

ベトナムで開発されたというリマインダー機能

 サイボウズといえば、名前の由来(「サイバー」+「坊主」)からして、日本にこだわっているソフトベンダーだと思っていましたが、なぜ今回はオフショア開発をしたのでしょうか。

「国内は人材不足。優秀な技術者がなかなか集められない」(青野慶久社長)という事情ももちろんあるそうですが、今後の海外展開の戦略とも関係がありそうです。

 というのも、同社の製品は「国内の中小企業向けグループウェアではシェアナンバーワン」(ノークリサーチ調べ)ですが、すでに多くの企業はグループウェアを導入済み。新しいユーザーの獲得は年々困難になっています。

 そこで、“狙うは世界!”となるわけですが、そのためには進出先の国について、事前の十分なリサーチが必要ですよね。

 実は、サイボウズは2001年に一度アメリカに進出した経験があるのですが、青野社長によると「あまり深く調べずにアメリカに進出したら痛い目にあった」そうです(その後アメリカからは撤退)。

 「ゆくゆくはトヨタのように、海外製品はその国のことを知る現地で作ることになるかもしれない」という青野社長。もしかしたらそのうち、ドイツ人のサイボウズとか、ブラジル人のサイボウズとかも出てくるのでしょうか……。

ベトナム人が(半分)作ったサイボウズ

英語と日本語の両方に対応した「ガルーン」も現在開発中

 いずれにしても、ベトナムでのオフショア開発の成果を取り込んだガルーン 2.5は、同社の国際化の試金石になるのかもしれません。


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