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週末見るコンテンツはコレ★ 第27回

【週末見るコンテンツはコレ★】

むちゃむちゃカッコいい「ミュータント・タートルズ」から実はニンジャだった!?「007」まで、今宵はニンジャ映画まつり!

2008年02月15日 20時56分更新

文● 大石太郎

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これぞ忍者活劇のルーツ
今でも見応え十分の忍術合戦は必見
「大忍術映画 ワタリ」

「大忍術映画 ワタリ」のパッケージ

「大忍術映画 ワタリ」のパッケージ

大忍術映画 ワタリ
DVD
価格:4725円
販売元:東映ビデオ


発売中
http://www.toei-video.co.jp/

 ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズに代表される、嵐のように吹き荒れた80年代のハリウッド産忍者映画ブーム。その源流を探ると白土三平に辿りつく。

 忍術を科学的に説明することで幻想にリアリティを持たせ、子供たちの人気を博する一方、社会的弱者としての忍者や虐げられる農民の姿を描き知識人からも高い評価を得た、忍者漫画の第一人者だ。

 「大忍術映画ワタリ」は、白土三平氏が「週刊少年マガジン」に連載していた「ワタリ」が原作。先に述べたとおり、白土の作品は社会的弱者としての忍者を描いている。派手な忍法よりも、こちらが最も描きたいテーマだ。そんな白土に東映が提示した台本は、“大忍術映画”というタイトルでお分かりのとおり忍術活劇がメイン。そしてでき上がった作品は白土の意向をまったく無視したもの

 激怒した白土は東映と絶縁する。「ワタリ」のテレビシリーズ化を予定していた東映は急遽、「伊賀の影丸」で人気のあった横山光輝に原作を依頼し、「仮面の忍者赤影」が誕生したのだ。

 白土が激怒したが、作品のクオリティは非常に高い。何より新しいものを作ろうとするスタッフの意欲がひしひしと感じられる。

 まだ導入されたばかりのブルーバック合成の多用や、アニメとの融合など、(当時としては)斬新な映像表現がいたるところに盛り込まれている。東映がいかにワタリに期待していたがうかがい知れる力の入れようだ。白土が激怒したというストーリーも悪くはない、というか子供向け活劇映画としてはかなりよくできている。特撮ファンなら観ておいて損はない作品だ。

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