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米アップルの増井俊之氏が自腹レビュー

2ヵ月使って分かった、米Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」の善し悪し(後編)

2008年02月09日 09時00分更新

文● 増井俊之

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 米国のアマゾンが2007年11月に米国で発売した電子書籍リーダー「Kindle」(キンドル)。前編に続いて、後編では私が感じた問題点と、Kindleの展望について述べてみたい。

Kindle

米Amazonの「Kindle」



電子書籍は「自慢」できない


 前編ではあれこれ褒めたKindleであるが、すべてに満足しているわけではない。

 まず、電子書籍に全般に共通する問題が上げられる。根本的に、電子書籍と普通の書籍は「絵に描いた餅」と「本物の餅」ぐらい違うように感じられる。Kindleで「情報」は管理できるが、「本」は扱えない。

 所有することに自己満足したり、他人に見せて自慢したりといったジマンパワーをまったく発揮できないのは、電子書籍の根本的な問題だといえるだろう。

 世の中で本棚というものが広く使われているのは、誰もが無意識にジマンパワーを発現させているからだ。本は中身(=中に書かれている情報)だけあればいいというのであれば本棚など必要ないだろう。本を買って保有するという「満足度の問題」は、あらゆる電子書籍に共通の課題だと思う。

本棚.org

【編集部註】増井氏はインターネット上に自分の本棚を作れるウェブサービス「本棚.org」の制作者でもある

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