【5】カード業界の規格外な逸品「VISA miniカード」
「クレジットカード」は、名刺サイズで、昨今はケータイのロジック基板の中にある……と決めつけている諸兄は考え方をもう少し柔軟にした方がいいだろう。
ノーマルよりもゴールド、ゴールドよりもプラチナ、と多くの男性諸氏は考えることが一般的なようだが、「ピカピカ光るクレジットカード」や「黒光りするクレジットカード」を持っていても、パーティや合コンでそのことを女子から聞かれることはまずない。光っていても、くすんでいても、それはただのクレジットカードに過ぎないのだ。
サイズが厳格に規定され、社会システムとして定着しているモノを見て、想定外の驚きを誘導するには、その違いが目に見えて奇異であることが必要だ。
昨今、企業連合が流行させようと躍起になっている「iD」は、スマートで便利かも知れないが、ケータイの論理回路に封入される目に見えない楽しくない先端技術だ。
一方で、技術先行の現代において、三井住友VISAが余り力を入れられずにいる「VISA miniカード」はどうだろう。普通のクレジットカードよりひと回り小さいその姿を見て、知らない人はおもちゃのカードと勘違いするかもしれない。
宴会やパーティの支払いをこの常識サイズを逸脱したカードで支払えば、周囲の注目はカードを持つ手元に自然と集まる。そうすれば二次会で、いよいよ謎の「紙の財布」と「規定外のクレジットカード」の謎をゆっくり語るチャンスが到来するわけだ。
筆者紹介──ゼロ・ハリ
超大型コンピュータからPC、携帯電話、腕時計、ITガジェット、ステーショナリーまで守備範囲は広い。フルタイムのサラリーマン生活と大学教授を経て、現在は、マルチジョブをこなすパートタイマーを実践中。古くからのゼロ・ハリバートン・アタシェケースのコレクターであったために「ゼロ・ハリ」をペンネームとした。