夜景撮影の実力を、感度ごとに確かめる
今度は偽色の出やすい環境(夜景)で感度の違いによるノイズの出方を見てみた。
8点の写真のうち、写真11~17は、α700を使用したサンプル。すべてD-R+標準、高感度ノイズリダクション標準、長秒時ノイズリダクションオンの状態で撮影している。
使用レンズは、DT 16-105mm F3.5-5.6(ワイド端)。露出はマニュアルで、ISO 100では絞りF22、シャッター速度30秒という設定。感度を1段上げるごとにシャッタースピードを1段速くしており、ISO 6400時でのシャッター速度は1/2秒となる。写真18は比較用の「ニコンD200」によるサンプルで、高感度ノイズ低減オン、カラー設定モードI、使用レンズは「AF‐S DX Zoom Nikkor ED 18-70mmF3.5-4.5G (IF)」(ワイド端)。露出はこちらもマニュアルで、絞りはF22、シャッター速度は1秒という設定だ。
α700の画像では、ISO 1600までノイズらしいノイズが感じられない。ただ、ノイズ容認派である筆者の私見によるものなのでシビアな人が見ると、気になるノイズがあると感じるかもしれない。とはいえ、通常のL判や2L判程度の大きさのプリントでは、ノイズが見えるとは思えない。
さすがにISO 3200となると偽色によるザラついた印象を受けるが、筆者が所有しているニコンD200の画像(写真18)と比較すると大きな差があると感じる。これならISO 3200を使用したいと思う人も増えるだろう。大きく印刷したり、等倍の画像を掲載するといったことがないのであれば、ISO 6400の画像でも十分なはずだ。
高感度NRの実力はどうか
α700の高感度ノイズリダクションは効果の違いを3段階に設定できる。デフォルトの標準設定でも十分で、パラメーターを「高」に設定してもそれほど変化は見られなかった。基本的にはデフォルトのままで十分に思えた。
今回はすべてISO 6400の設定で、マニュアル露出(絞りF22、シャッター速度1/2秒)とした。ただ、撮影条件が厳密に言えば同一とは言えず、さらに、環境の変化でも、NRの効き具合が変わってくる可能性はある。
次回は、α700をもっと厳しい条件で使用したり、イメージ的に面白いものなどを撮影してみたいと思う。なお、こちらのインタビュー記事でも一部α700を使用して撮影したものを掲載している(1ページ目と3ページ目のポートレート)。合わせて参照してほしい。