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今さら聞けないIT英語 第23回

プログラムで多用される「function」は “一意に決まる”理屈を理解しよう

2006年11月24日 00時00分更新

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 およそプログラミングをしたことがある人なら、関数という言葉を知らない人はいないだろう。プログラミングにおける関数は、PHPの場合こう書く。

function aaa(){return 0;}

 中学校の数学の授業で「xの値が決まることによってyの値が“一意に”決まるとき、yはxの関数である」と教わった記憶はないだろうか? これを数学らしく書くとこうなる。

y = f(x) {f(x)はxの関数}

 この“一意に決まる”という理屈はIT英語におけるfunctionも同様で、「ある入力(a)を関数にわたすことによって、ある出力(b)が得られる」ことをあらわす言葉として用いられている。これをプログラムで表すと「b = func(a);」となる。値aをfuncにわたすことによって、返り値がbに代入されるということだ。このfunctionが登場するIT英語としては、次のような例がある。

In PHP 3, functions must be defined before they are referenced. No such requirement exists since PHP 4. (PHP3では、関数はそれらが参照される前に定義されていなければいけないが、PHP4からはそのような必要性はない)

※ PHP3とPHP4はプログラミング言語のバージョンで、プログラムを書くときに関数を定義する。PHP3の場合は、実際に使用する位置よりも前に関数を定義しなくてはならない。一方、PHP4は関数の定義する場所と、実際に使用する位置に制限はない。

In some programming languages, the main function is where a program starts execution. (いくつかのプログラミング言語では、MAIN関数からプログラムが実行されはじめる)

※ MAIN関数は、プログラムの中ではじめに実行される部分を示すための決まりごと。MAIN関数が書かれた場所からプログラムが実行される(MAIN関数よりも以前に書かれたプログラムは、基本的にはMAIN関数の中で呼ばれない限り実行されない)。

 このように、functionは関数を意味する言葉としてIT英語で多用されている。しかし、何でも「function = 関数」と判断してしまうと痛い目にあう。次の英文を読んでいただきたい。

Basic functions must be straightforward for end-users. (基本的な機能はエンドユーザーに容易に利用できなければならない)

In order to use all the functions in the latest MySQL server release, you should be using the mysqli extension that is available as of PHP 5. (最新のMySQLサーバーの全機能を使うためには、PHP5で利用可能なmysqli拡張を使用すべきだろう)

 functionには「機能」という意味もあり、これまた頻繁にIT英語で使われるのだ。いま、あなたが直面しているfunctionは「関数」なのか、それとも「機能」なのか……。文脈に注意して解釈するようにしよう。

プログラムで多用される「function」は“一意に決まる”理屈を理解しよう

Illustration:Aiko Yamamoto

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