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USB接続のガイガーカウンターキットで遊ぶ

ひゃくまんえ~ん“放射線”ハンタ~! 漏らしてる子はいねぇがぁ~?

2007年08月30日 20時34分更新

文● 藤山哲人

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放射線を求めて外に出かけよう!


 まずは近所の河原に行ってみた。ここならだだっ広いし、放射線があちこちから降り注いでくるだろう!という思惑だ。

うわー!俺んち田舎に見えるな……。まぁ、田舎なんだが……

ご近所の鶴見川までガイガーカウンタを持ってお散歩

 で、さっそく測定してみると。げげーん! カウンタがグルグル回るどころか、家の中と変わらない! 思惑はみごとに玉砕された。

もっと放射線はないのかっ!

げーん! 部屋の中とサッパリ変わらないし! 測定値は何回測っても13~14cpm



温泉へいこう


 だがっ! 近所には、こんな場所がある!

ラジウム温泉

東急東横線 綱島駅から歩いて1分のところにある、“綱島ラジウム温泉 東京園”であるっ!

 どうだ! ラジウム温泉と言えば放射線が体の治癒能力を高める“ホルミシス効果”があると言われており湯治で有名! ここなら、カウンタがガンガン回るに違いない! 泉質はナトリウム~炭酸水素塩泉。源泉の温度は18℃、pHは7.9でラジウムエマナチオン(ラドン)を含むという。

 なんかメッチャ強そう! イイ感じじゃん! ということで、早速ガイガーカウンターを持って浴槽に突入! お湯は茶色く、いかにも鉄分たっぷりでっせ! と言わんばかりだ。また浴槽も電気が通っている電気風呂、足踏み風呂、泡風呂、エステ風呂、寝風呂など色々あったが、メインの一番大きな浴槽に設置。

 お肌もスベスベになり、のぼせてきた30分後にデータを見てみると、その数なんと!

 13.56cpm!

 ……って自然界と変わりねーじゃんっ!。これだったら外でひなたぼっこしてた方が、放射線浴びれるんじゃないのか!? というわけで自然界でカウンターがグルグルまわるのは、なかなか見ることができないようだ。ガックシ……。



おお!以外なところに放射線を出しまくるものが!


 せっかく作ったガイガーカウンタなのに、「グルグル回るその勇姿を見られない」と落ち込んでいたところ、キャンプ用の照明(ランタン)に放射線を出しまくるパーツがあるということを知った。ランタンというのは、こういうヤツである。

筆者が愛用しているランタン。ガソリンを入れて、右のレバーをシュコシュコやると空気の力でガソリンが噴霧される。そこに火をつけると、まぶしく輝くのだ

 ランタン内部の白い布状のモノが、化学変化を起こして明るく輝くという仕組みだ。この布を“マントル”(ホヤ)というのだが、どうやら炎を白く光らせるために、“トリウム”という放射性元素を混ぜているそうな。なんだか強そうな名前だけに期待値も高い!(ちなみにトリウムの語源は、北欧神話の雷神・トールという) さっそく測定じゃ!

マントル

これがマントル。左はガス式ランタン用、右の長いのはガソリン式ランタン用

測定してみたが……

ありゃ? さっぱり……

 測定結果は13cpm。室内の自然放射が13cpmなので、結果として放射瀬物質は含まれていないと……。安全に配慮して、最近がトリウムを入れてないのか?と思いつつ、別のマントルを測ってみると!

ガス式ランタン

うはっ!すげー!カウンターが回る!

 おおっ!見たかったのはコレだよコレ!

 測定結果は210cpm。自然放射ぶんの13cpmを差し引けば197cpmの放射線がマントルから出ている! いいぞいいぞ!

 そして筆者はひらめいた! 1枚より2枚、2枚より3枚の方が、もっと放射線を出すんじゃなかろうか? ありったけのマントル7枚を持ち出して測定してみると、面白いぐらいにガンガンとカウンターが回り、ピピピピピピ!という検出音が鳴りまくる! 測定値は780cpmだった!

ガス式ランタン7枚で攻撃

うはっ!液晶表示の数字が溶けて読めなくなるほど、カウンターがガンガン回る!

面白がっていて、ふと気づいた

も……、もしかしてこれは危険レベルなのか?



フィルターで仕切って線種を特定してみよう


 さてせっかくα線とα/β線の遮断フィルターも作ったので、これも実験してみよう。測定したのは、派手な値を示したガスランタン用マントル7枚だ!

α線を遮断すると測定結果は約半分に

α線遮断フィルターを適用して測定! β+γ線の測定結果は400cpm。つまり780−400=380cpmのα線が出ていたわけだ

さらにβ線を遮断すると測定結果は約半分に

続けてα線とβ線遮断フィルタを適用して測定。γ線の測定結果は160cpm

 これらの実験結果からマントルから出ている放射線は、α線が380cpm、β線が240cpm、γ線が160cpmとなっているわけだ。なかなか、面白いじゃネーか!

無意味にExcelでグラフにしてみた

マントル7枚の放射線内訳(自然放射含む)

 ここで実験した結果は、次の表の通りだ。ただしいずれも自然放射を含んだ値となっている。

測定対象 cpm
ガソリン用マントル 13cpm
ガス用マントル1枚 210cpm
ガス用マントル7枚(α+β+γ線) 780cpm
ガス用マントル7枚(β+γ線) 400cpm
ガス用マントル7枚(γ線のみ) 160cpm
マントルを触った指 16cpm

(次ページに続く)

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