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編集者コラム 第1回

テレビの大きさ、ネットの古さ

2007年05月23日 00時00分更新

文● 吉川大郎(月刊アスキー編集部)

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と、まあ、初めての月刊アスキーのブログといううことで肩の凝る書き方をしてきましたが、ぶっちゃけ「テレビってやっぱりでっかいよねー!」というのがよく分かりましたと。いや、そんなことは当たり前なんですけれども、金額的な大きさだけではなく、コンテンツを作る能力とか、万人にリーチする能力とか、そういうものがインターネットとは桁違いなわけですよ。結局、インターネットの中で、何かがどれだけ流行しようが、テレビによる告知は桁違いのパワーがある、ということ、改めて身に染みました。少なくとも現状のインターネットは、どうあがいてもマスメディアにはなりきれないなあと。もちろんね、インフラという意味のインターネットなのか、メディアとしてのインターネットなのか? とか、精密に考えていくといろいろと違いは出てくるのですが。

で、そのテレビは今、デジタル化という面で何をしようとしているのか? どのように考えているのか? そのあたりを、特集の後半ではインタビューなどによって追跡しました。そこで分かったことなのですが、テレビ局も以前とは違って、インターネットのことが段々、というよりもかなり分かってきてますよと。テレビが上手にインターネットを使い始めていて、インターネット側(どっち側、という言い方もちょっと古くさいですが)はうかうかしていられない状況だなと思うのです。

というのも、テレビの人たちが言う放送と通信の“連携”を本格的にやられてしまったら、インターネット専業コンテンツは、どこまで太刀打ちできるのか? って思ったのです。

今までは、インターネット専業は、「インターネットが“分かって”いる」というアドバンテージがありましたけれども、テレビの人々がインターネットに慣れてしまえば、そのようなアドバンテージは無くなってきますよね? 今、まさに、慣れてきた状態であると思うわけです。逆にいえば、「もうインターネットなんて新しくない」ってことだと思うのです。

これは、テレビだけではなくて、世の様々な事象にあてはまることであります。

インターネットが新しい時代は、もう終わっちゃいました。「ITとビジネスのギャップを埋める」と言ってリニューアルした月刊アスキーのテーマも、このあたりにあるのかな、と、巡り巡ってそのように考えた、今月の特集でありました。

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