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編集者コラム第1回

テレビの大きさ、ネットの古さ

2007年05月23日 00時00分更新

文● 吉川大郎(月刊アスキー編集部)

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今月のテレビ特集を企画するにあたって、特集チームの全員が気を付けたことがある。それは、「テレビを侮るな」ということだ。

「なにをばかな」とお思いになる読者もおありだろうが、特集を制作した1カ月間、編集部内ではかなり真面目なやくそくごとであった。

これは、我々のように、IT(というよりもコンピュータ)に軸足を置く者にとっては、特に戒めなければいけない意識を含む問題だったからだ。

つまり、ITに携わったり、ITにまつわるニュースを追い続けていると、非常にナイーブな「IT至上主義」に陥ってしまい、いわゆる従来の権威や、強大な存在に対して、無意識の「ノー」を、突きつけてしまいがちになるからだ。これでは、物事を多角的に見ていくことはできない。

たとえば、YouTubeの創始者が来日した際に民放各社が彼らに要望を述べた件があったが、ああした事柄に対しても「YouTubeと連携しないテレビ局など旧弊の極みであって、これだから日本のテレビはダメなのだ」と、もはや反射的に考えてしまう。

もちろんこれは、ある側面から見ると正しい意見ではあるし、識者の指摘することでもある。ところが、識者ではない我々が、反射的に上記のように考えてしまってもよいのだろうか? もっともっと、「テレビ」という存在を知る必要はないのだろうか。ITの立場からだけで、テレビを、そして放送と通信を語ってもよいのだろうか。

だから、「テレビを知ろう」という、たいへん素朴なポイントから、この企画を練った。そして、テレビの歴史、規模、テレビを取り巻く世界(マップ)の紹介ページを作成した。これら前半の6ページを見れば、“なんとなく”“漠然と”巨大な存在であったテレビ局の、「等身大」が見えてくる。

合計で2兆円を超すテレビ広告の巨大さ(そろそろ雑誌を抜くと言われるインターネット広告は、3600億円である)を目の当たりにすると、「金持ち喧嘩せず」ではないが、確かに、テレビ局はインターネットに対してそれほどドラスティックなアプローチをする必要はないように思えてくる。彼らは、彼らのペースでインターネットに向き合えばよいのである。世の中のデジタル化よりもアナログ停波のほうが大事件であって心配だと我々に語った、とあるテレビマンの言い分も、よく分かる(もっとも、世の中のデジタル化とアナログ停波は不可分な動きではあるのだが)。

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