このページの本文へ

公売オークションに“萌え萌え出品”登場の舞台裏

2007年04月17日 22時00分更新

文● 松本佳代子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

――もしもし、株式会社アスキーと申します。東京の出版社で、パソコンやビジネス関連の雑誌や書籍を出してます。

「あ、はい。存じてます」

さすが、話は早い。では、さっそく質問を。


――フィギュアをネット公売に出された理由は?

「たまたま今回はフィギュアが中心になっただけで、フィギュアを中心に差し押さえするわけではありません」

 いきなりであったが、滞納しているフィギュアマニアが聞いたら安心しそうなセリフを言ってくれた。アスキーの名前を聞いて、読者へのサービスをしてくれたのだろうか。

 2月に行なわれたネット公売で、ためしに萌え系フィギュアを4体出品したところ、見積価格1000円に最高7250円の落札額が付いたので、今回大幅に数を増やして10セット14体を出品したとのこと。

出品されていた綾波レイの着替えフィギュア。着替えを楽しんだ形跡はない

――今回のフィギュアが収集した全部ですか?

「いまのところ、これがすべてです」

 たくさんの中から、今回の綾波レイの着せ替えや「ときめきメモリアル」「センチメンタルグラフィティ」を選んだわけではないことになる。ということは、これらは持ち主の趣味か。


――持ち主は? 同一の人?

「税を滞納している方から差し押さえをして引き上げをしたもので詳しくはお答えしかねますが、同じ人です」

 ニュースなどによると“玩具販売業者”の倉庫の中で眠っていたということであったが、かなりの目利きで大切に保管されていたのか、単に忘れ去られただけだったのか。

――ところで、官公庁の公売でフィギュアを出したのは小樽の納税課が初めてですか?

「だと思われます」

 そうだよなぁ。聞いたことないもんなぁ。

 革新的なことは国の端から起こると聞いたことがあるけど、北海道には今も開拓団の精神が生きているのだろうか。徴税のために、なりふり構わず効率化を目指したら、萌え系フィギュアのネット公売への出品を思いついたということだろうか。

出品されているフィギュア。1990年代を中心としたもので、時代がしのばれる

(次ページに続く)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ