アキバでお馴染みのメイドカフェがアジア諸国に進出している。
韓国、台湾、中国といった東アジア圏はもとより、シンガポール、そして今回紹介するタイなど東南アジア圏にもメイドカフェが続々とオープンし、アジア圏の“萌え化”が進んでいるようだ。最近でも秋葉原のメイドカフェ“ぴなふぉあ”がタイのバンコクに出店した。果たしてタイの“萌え”事情はどうなっているのか? 同店のオーナーにメール取材してみた。
なぜタイに出店したのか?
メイドカフェ ぴなふぉあ バンコク店は、バンコク一の目抜き通り、“スクンビット通り”中心部のタイムズスクェアビル3Fに居を構えている。主要電車“スカイトレイン”のアソーク駅から徒歩1分と、かなり好立地だ。観光客が多く、近くには日本大使館があるほか、在タイ日本人が多く住んでることでも知られている。
同店のオーナーを務める笹野夏樹氏は、タイに出店した理由として「タイが親日国であり、若い世代を中心に日本文化に興味のある人が多いこと」を挙げている。バンコクでは既にメイドカフェ“AKIBA”が昨年オープンしていたので、メイドカフェの存在もそれなりに認知されているという。
確かに筆者が昨年タイを訪れたときも、街中で日本のアニメや漫画を目にした。日本で流行のファッションに身を包んだ若者もよく見かける。同店で働いているのも、日本文化に興味を持つ女子大生が中心のようだ。
扉を開けると日本と同じ空間が広がる
笹野氏によると「メイドがタイ人であること以外、日本の本店と同じサービスを提供している」という。
店に入ると、ピンクのメイド服を着たタイ人店員が「お帰りなさい、ご主人様」と日本語で迎えてくれる。メイドがケチャップで文字を書いてくれる“文字入れオムライス”など定番メニューも用意されている。店内ではタイ語字幕付きの日本のアニメや、モーニング娘。らが所属する“ハロー!プロジェクト”、ジャニーズ事務所所属のアイドルグループが出演するDVDが流れていて、日本のメイドカフェそのままの“萌え空間”が演出されているそうだ。
客層は日本人中心だが、タイ人も多く来訪する
特殊な形態の店なだけに、どんな客が来ているのか気になるところだ。「ターゲットはタイ人の若い世代ですが、現在の客層は日本人70%、タイ人20%、その他10%です。日本人の方はタイ在住の方や観光客の方が多く、タイ人の方は若い世代で日本文化に興味のある方が多いです」と夏野氏。
オープン後、間もないという点と、場所柄も関係しているのだろう、まだ日本人客が多いようだ。
タイのメイドはどんな子達?
一体どんな子達がメイドをしているのだろう? 在籍しているメイドは大学生を中心に14人、うち5名は大学で日本語を勉強しているという。みんな日本の文化に興味深々だ。
“萌え”はタイ人に伝わるのか?
日本人の筆者からすると、同店は十分に“萌える”。しかし、日本独特の“萌え”の概念は果たしてタイ人にも伝わるのだろうか?
店長の夏野氏は「大学で日本語学科に所属するスタッフ達の話によると、若い世代で日本の文化に興味がある人は“萌え”の概念を理解しています」と話す。”萌え”に該当するタイ語は存在しないが、タイ人もそのまま“萌え”(Moe)という言葉を使用するのだという。
タイの若者の間では以前から、日本の漫画やアニメ、アイドルグループなどが人気。“オタク(Otaku)”という日本語も一般的に使われているそうだ。大々的なコスプレイベント“J - Trends in Town”も開催されている。同店では現在募集をしていないのに、毎週3~4人のメイドの応募があるという。
私たちの知らないうちにタイには日本文化が浸透している。“萌え”を理解する土壌がしっかりと備わっていたのである。
メイドカフェ ぴなふぉあ バンコク店
- 所在地:タイムズスクエアビル3F
- 交通:BTSアソーク駅から徒歩1分[直結]
- 住所:246 Times SQ.uare Building 3 FL Room 303、
Sukhumvit Rd.、 Between Soi 12-14 Bangkok 10110 Thailand - 営業時間:10:00~22:00
- 定休日:なし
- TEL:+66 (0)2-6530610、FAX:+66 (0)2-6530610
人気メニュー
- 文字入れオムライス 180B(約610円)
- 自家製カレーライス 180B(約610円)
- チョコバナナパフェ 150B(約510円)
- スイカシェイク 90B(約300円)
- カキ氷 イチゴミルク 90B(約300円)