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世界最薄・最小・最軽量の『E-410』と手ぶれ補正内蔵ボディーの『E-510』

オリンパス、“ライブビュー”搭載のデジタル一眼レフカメラ2機種を発表

2007年03月05日 15時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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E-410のイメージ写真

幅が約13cm、奥行き5cmあまりで、400gを切る軽量ボディーのデジタル一眼レフカメラ『E-410』。写真は標準レンズ込みで556g

オリンパスイメージング(株)は5日、背面の液晶ディスプレーで画角やフォーカスを確認しながら撮影できる“ライブビュー”機能搭載のデジタル一眼レフカメラ“E”シリーズの新製品として、世界最薄・最小・最軽量(デジタル一眼レフカメラとして、2007年3月4日現在、同社調べ)の『E-410』と、撮像素子をシフトする手ぶれ補正機能をボディーに内蔵する『E-510』を発表した。発売時期はE-410が4月下旬、E-510は7月で、価格はいずれもオープンプライス。編集部による予想実売価格は標準レンズキットで、E-410が10万円前後、E510は12万円台半ばになる見込み。


また同時に、開発意向表明として、同社のプロ向け最上位機種『E-1』後継機種を今年年内に発売予定であること、同時に交換レンズ群4本と2.0倍のテレコンバーターの開発を進めていること(同じく年内発売予定)を明らかにした。

E-410は、2006年秋にドイツで開催されたカメラ関連製品の世界的な見本市“Photokina(フォトキナ) 2006”で発表された欧州限定モデル『E-400』の日本向け製品。サイズはE-400と同じく幅129.5×奥行き53×高さ91mm、重さは375g(本体のみ)で世界最薄・最小・最軽量を誇る。

E-410と標準レンズ

標準レンズを付けた状態のE-410

E-410の背面

E-410の背面。ファインダー横のAEL/AFLボタンを押すとライブビューモードに切り替わる

これは、基板の小型化に加えて、配置の工夫で実現したという。具体的には、電装基板を3つに分割し、立体的なレイアウトにすることで小型化を実現した。例えば、内蔵フラッシュを発光時に蓄電するコンデンサーを小径タイプ2つに分割するなどして、小型化を図った。

背面には2.5インチ(約23万画素)の“ハイパークリスタル液晶”パネルを搭載し、ライブビュー機能を備える。このライブビューは同社の『E-330』が実現したものから進化しているという。画角とフォーカスに加えて、新たにホワイトバランス/露出補正を液晶ディスプレーで撮影前に確認できるようになった。これらは実際に露出を変更した結果ではなく、デジタルシミュレートしたものだが、露出補正を使うことでどんな仕上がりになるかが事前に分かることで、適切な場面で露出補正を使うユーザーが増えるとの期待も込められている。

E-410の上部

E-410の上部

E-410の両側面

E-410の両側面

撮像素子は4/3インチ(フォーサーズ)LiveMOSセンサーで、有効画素数は約1090万画素。撮像素子の周辺部に配置される回路/配線を圧縮して受光部を大きくすることで、800万画素クラスのCCDセンサーと同等の階調性を実現した、としている。これは撮像素子1つずつに集光するためのマイクロレンズ部を大型化できるだけでなく、配線を短くすることでS/N比が上がるメリットもあるという。

画像処理エンジンは第3世代映像エンジン“True Pic III”を搭載。E-330が搭載していたTrue Pic IIよりノイズを低減、エッジの偽色を除去できるほか、淡い色合いでも白抜けせず正確な色表現ができるなど、高画質化を図っている。また、ロスレス圧縮をサポートし、同社調べの参考値では、15MBのRAWデータを9MBまで圧縮できるという。

E-410の撮像素子

E-410の撮像素子

E-330が持っていた液晶パネルの2軸ヒンジによる“バリアングル機構”は持たないが、ハイパークリスタル液晶パネルの採用により、縦横方向で視野角を160度から176度に向上させ、ハイアングル/ローアングルでも視認性が高まっている。

このほか、撮像素子を振動させることでゴミ/ホコリを落とす“SSWF”(Super Sonic Wave Filter)によるダストリダクションを搭載。電源オン時やライブビュー使用時に、自動的に起動して、ゴミの影響を減らしている。SSWFも、振動周波数を上げることで、ゴミの付着がより少なくなったとのこと。

E-410の内部前面

E-410の内部(前面)

E-410の内部背面

E-410の内部(背面)

主なスペックは、レンズマウントがフォーサーズマウントで、記録メディアにはCFカードType II(マイクロドライブ対応)とxDピクチャーカードのデュアルスロットを装備。記録形式はRAW(12bit)/JPEG(DCF/DPOF準拠、Exif/PRINT Image Matching III対応)をサポートし、同時に両形式での記録も可能。色空間はsRGBとAdobe RGBに対応する。

露出制御は49分割デジタル測光で、シーンモードとして上部ダイヤルで切り替えられる“シーンプログラムAE”5つ(ポートレート/風景/マクロ/スポーツ/夜景&人物)のほか、メニューからの選択になるが20種類を用意する。

シャッター速度は2~1/4000秒、および最長8分のバルブ撮影が可能。連写機能は毎秒最大約3コマ。インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed対応)とAV出力を兼用する専用端子を備える。電源は小型の専用リチウムイオン充電池(BLS-1)を使用し、撮影可能枚数は約500枚(CIPA準拠測定法)。

『ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6』

『ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6』

『ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6』

『ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6』

標準レンズキットに付属するレンズは、『ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6』(35mmフィルムカメラ換算時:28~84mm相当)で、このほか『ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6』のズームレンズを追加した“ダブルズームキット”と、レンズを省略した“ボディー”単体も用意される。実売価格は、ボディー単体が9万円前後、ダブルズームキットは11万円前後と見られる。



ライブビュー&手ぶれ補正の全部入りデジタル一眼レフ

E-510は、E-410の機能に加えて撮像素子を上下左右にシフトする光学手ぶれ補正機能を搭載し、しっかり持てるグリップ部を備えた、撮影にこだわるユーザー向けのデジタル一眼レフカメラ。

E-510と標準レンズ

標準レンズを付けた状態のE-510。E-410と比べるとしっかりと握りやすいグリップ部を持つ

E-510の背面

E-510の背面。基本的なレイアウトはE-410と共通

E-510の撮像素子

超音波モーターによるシフト式光学手ぶれ補正機能を持つ、E-510の撮像素子

撮像素子をシフトさせるモーターには、超音波モーター“SWD”(Supersonic Wave Drive)を採用。1Hz以下から7Hzのぶれに対応し、手ぶれ補正の効果は最大4段分に相当するという。シフト方式は、横縦の両方向(XY方向)の補正を行なうものと、流し撮りなどで左右のぶれは補正せずに上下(Y方向)のぶれだけを補正する2方式を持つ。

E-510の上部

E-510の上部。E-410と見比べると違いは歴然

E-510の両側面

E-510の両側面

7月発売ということもあり、一部スペックは未決定のところも含まれるが、光学式手ぶれ補正機能以外の主な撮影機能はE-410と同一という。本体サイズは幅136×奥行き68×高さ91.5mm、重量は未定。電源はリチウムイオン充電池(BLM-1)を使用し、撮影可能枚数は約650枚。

E-510の内部前面

E-510の内部(前面)

E-510の内部背面

E-510の内部(背面)

こちらも標準ズームレンズのほか、ダブルズームキット、ボディー単体のパッケージが用意され、実売価格はボディー単体が11万円台半ば、ダブルズームキットが13万円台半ばと見られる。



E-1後継機種

現在開発中というE-1後継機種

E-1後継機種の背面

E-1後継機種の背面

このほか、今回の発表で開発意向が示されたのは以下の製品。いずれも2007年内の発売ということしか明らかにされていない。

E-1後継機種(名称未定)
プロユースに耐えられる高信頼性を持つ、フォーサーズ方式/ライブビュー搭載のデジタル一眼レフカメラ
4本の交換レンズ
『ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD』
『ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD』
『ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD』
『ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6』
テレコンバーター
『ZUIKO DIGITAL 2.0x Teleconverter EC-20』
開発意向が発表されたレンズ群

開発意向が発表されたレンズ群

なお、本製品の発表会が都内で開催されている。こちらのレポートも追って掲載の予定。

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