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「想像してごらん、著作権保護のない世界を」〈ことば〉

2007年02月07日 22時00分更新

文● 編集部

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 アップルのCEO、スティーブ・ジョブズ氏が同社のサイトに突如“Thoughs on Music”(音楽に関するいくつかの考察)というエッセイを公開。話題を集めている。

ジョブズ
スティーブ・ジョブズ氏

 同氏はエッセイの冒頭で、アップルがDRMを公開し、iTunes Storeで購入した楽曲を他社製プレーヤーで再生したり、iTunes Store以外のオンラインストアーで購入した楽曲をiPodで再生できるようにするべきかと問題提起。同社が今後取り得る3つの選択肢を示した。



本気なのか、牽制なのか?


 1つめの選択肢は、現状維持。つまり著作権保護技術の“FairPlay”を使って音楽を配信し、それに対応したiPodのみで楽曲を再生できるようにすること。

 ただしこれは、iTunes Store+iPodでの囲い込みを意味しないとジョブズ氏は言う。その根拠は「iPodの出荷台数は2006年末までで累計約9000万台」「iTunes storeで販売された楽曲は2000億曲」。つまり、1台当たり約22曲が購入されているという数字。ジョブズ氏は「一番売れているiPodは1000曲を保存できるが、多くの場合、1000曲保存できる記憶容量がほぼ満杯状況になっている」という調査結果も引用しながら、平均的なユーザーのiPodに入っている曲のうち、iTunes Storeから購入した曲の割合は3%以下であり、ほかの97%はCDからリッピングなどして入手した楽曲であると結論付けた。つまり、iTunes Storeで買った曲をiPodでしか再生できないという事実だけで、ユーザーの囲い込みはできないということだ。

 2つめの選択肢は、FairPlay技術をライセンスして、他のサービスやプレーヤーでも利用できるようにすること。これに対しては、著作権保護技術の秘密を多くの関係者やライセンス企業に提示する必要があり、秘密が漏れやすくなることを危惧している。アップルはFairPlayを他社にライセンスした場合、(盗用から)音楽を守れることを保証できないとジョブズ氏は言う。その上で、マイクロソフトがZuneで、従来の“Open DRM”戦略を、自社のサービスとデバイスだけを対象としたClosedな戦略に転じたことも、それが理由ではないかと述べている。

 そして最後の3つ目の選択肢が、DRMそのものを止めてしまうというものだ。

 ジョブズ氏は「想像してごらん、すべてのオンラインストアーが、(MP3やAACなどの)オープンライセンスのフォーマットでエンコードされ、著作権保護なしの状態で売っている世界を」と筆を進め、「それが消費者にとって一番好ましい選択肢であることは明白」と結論づけている。

 そのうえで、ジョブズ氏は4大レーベル(Universal、Sony BMG、Warner、EMI)が承諾するなら「iTunes StoreでDRMなしの音楽だけを売るのに」とコメント。さらにジョブズ氏は、DRMは海賊版をなくすことはできないと断言し、4大レーベルは、オンラインでは著作権保護でがちがちに固めたコンテンツを売る一方で、著作権保護のなしのCDを毎年何十億枚も売っている現状があり、CDの楽曲はその気になれば簡単にインターネットにアップロードできると書いている。

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