かつて、アスキー(現KADOKAWA)のゲーム誌「ログイン」や「週刊ファミ通」などで忍者編集者としておなじみだった、現フリーライターの忍者増田が、1980~1990年代のPCゲームや編集者時代の思い出を振り返り、紹介していくというコーナー。ASCII.jp、ASCII倶楽部の読者なら、なつかしい話題が満載のこと間違いなしなのだ!
こんにちは。忍者増田でござる。今回も前回に引き続き、「ウィザードリィ」にまつわる話をします。いや、「ウィザードリィ」の話というよりは、拙者がログイン編集部にいたころずっと担当していた「ウィザードリィ」のコーナー、「WIZでござるよ」の思い出を語ろうと思います。知らない人も多いと思いますが、「WIZでござるよ」は終了と再開を何度も繰り返し、なんと21年も続いた伝説のコーナーなのです。いやあ、自分で“伝説”とか言っちゃった。恥ずかし!
拙者がログインの上司から「ウィザードリィ」の連載ページを担当するよう命じられたのは、編集部に入って2年ほど経った1991年のことでした。攻略オンリーではなく、「ウィザードリィ」に関するいろんなネタを扱う、バラエティーにとんだコーナーにしろとのこと。なるほど、それならライバル誌で三遊亭円丈氏に怒られることもなさそうです(前回の当コラム参照)。
拙者は最初、硬派なページにしようと、“石の中にも三年”というタイトルを考えていました。「ウィザードリィ」内の有名なメッセージ“いしのなかにいる”と、“石の上にも三年”ということわざをかけたんですね。今思えば、このタイトルが果たして硬派かどうかは大いに疑問符がつくところですが、まぁ少なくとも内容はカタくいこうと考えていたわけです。しかし、上司は真面目なコーナーにする気はサラサラなかったようで速攻で却下され、結局、上司がふざけて口にしていた「WIZでござるよ」というタイトルに落ち着いちまいました。略称は“WIZござ”です。
でも、あとからこのタイトルでよかったと思いましたね。硬派なタイトルをつけて、硬派な内容でスタートしていたら、きっと途中で行き詰っていたに違いありません。タイトルがふざけていたおかけで、真面目なことからアホなことまでなんでもやれるふんぎりがつきました。ちょっとした攻略、ウンチク、お笑いネタ、対談、読者投稿……なんでもやりました。ご存じのように、「ウィザードリィ」は暗くて無愛想でジメジメしたゲームなので、お笑いネタをやると、そのギャップが妙におかしかったなあ。
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