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忍者増田のなつかしゲーム年代記 第10回

“瞬間画面表示”で当時の常識を覆したPCゲーム『ミコとアケミのジャングルアドベンチャー』

2017年02月04日 10時00分更新

文● 忍者増田

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かつて、アスキー(現KADOKAWA)のゲーム誌「ログイン」や「週刊ファミ通」などで忍者編集者としておなじみだった、現フリーライターの忍者増田が、1980~1990年代のPCゲームや編集者時代の思い出を振り返り、紹介していくというコーナー。ASCII.jp、ASCII倶楽部の読者なら、なつかしい話題が満載のこと間違いなしなのだ!


 以前にも書いたように、「アドベンチャーゲームがやりたい!」というのが、拙者がパソコンを欲した動機。そしてパソコン購入後、実際にたくさんのアドベンチャーゲームをプレイしました(のちにRPGへと興味が徐々にシフトしていくのですが)。

 当時のパソコンのアドベンチャーゲームといえば、ひとつ、困ったことというか、当たり前のように耐えねばならない要素がありました。

 それは、描画を待たねばならないこと。線を引いたり色を塗ったり、実際に人間が絵を描くように、シーンが変わるごとに描画されていたのです。

 それがアドベンチャーゲームの大前提だったので、当時のプレイヤーは描画待ちに対する耐性が備わっていました。ただ、それでも遅すぎる場合はやはりイライラしてしまうわけで……。とくに、拙者が持っていたPC-8801mkⅡはあんまり描画の速いパソコンじゃなかったので、しょぼいプログラムで組まれたアドベンチャーゲームの場合、描画のたびに長時間待たされることになるのでござる。

 今回紹介するシステムソフト(現:システムソフト・アルファー)の『ミコとアケミのジャングルアドベンチャー』(1984年発売)は、そんなアドベンチャーゲームの常識を覆した作品として知られています。

ジャングルではさまざまな動物と出会うことに。画面は1992年のログイン5号より

 ストーリーは、アフリカ旅行に向かう途中に飛行機事故でジャングルに取り残されたミコとアケミを、ジャングルから脱出させるというもの。当時のアドベンチャーゲームとしてトップレベルのグラフィックの美麗さを誇りながら、画面表示がメチャ速! てか、前述したような、線を引いたり色を塗ったりといった描画の過程など辿らない。シーンが変わり、ディスクにガチャっとアクセスしたかと思うと、つぎの瞬間にはもう画面全体が一瞬で表示されているのです。その時間わずか1~2秒。快適なこと風の如し。

『ミコとアケミのジャングルアドベンチャー』のマニュアル(システムソフト・アルファー提供画像)

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