「Spotify Hi-Fi」の情報が再び浮上してきた。ただし、名称は変更されるかもしれない。
先週末からThe VergeやTechRadarなど、いくつかの海外メディアがロスレス配信を含むSpotifyの新しいプランについて報道している。これはもともとプログラムコードの一部の解析結果に基づくもので、Redditのユーザーが発見した。このユーザーは、Android版のSpotifyアプリのコードを解析し、そこに埋め込まれた文字列から推測している。彼の最新の分析に基づくもので、アルファ版のビルド8.9.32.328によるものだという。
このユーザーは半年ほど前にもSupremiumプランという新しいSpotifyのプランの登場を予測していた。その際はロスレス配信のほかに「AIプレイリスト」機能があることも明記していた。AIプレイリスト機能についてはこの連載でも先週触れたように実現している。彼の情報を怪しいと一蹴するわけにはいかないだろう。
新情報ではSupremiumプランという名前は消え、新たに「Music Pro」という名称となるとしている。また、Spotifyはこれを別のプランとしてではなくアドオンと呼んでいるということだ。もしかすると、現在のPremiumプランに追加課金するようなシステムかもしれない。
Music ProにはFLACで最大24bit/44.1kHzのロスレス配信するという記載がある。Apple Musicのようにリスニング中に再生品質が表示されるかもしれないという。このほかにも、曲と曲を繋ぐ際の高度なミキシングツールやライブラリーのフィルター、そしてイヤホンのモデルに応じ、特許技術を使用した最適化機能も付加されるようだ。面白いことに(というか、当然かもしれないが)対応するイヤホンにはAirPodsが含まれているとのこと。高度なミキシングツールとライブラリーのフィルターについては、AIプレイリスト機能のようにやはりAIが用いられると考えられる。
料金情報はないが、Supremiumプランの情報が出た際には19.99ドルとされていたので、おそらくトータルではこの程度になるだろうと推測する。 米国価格が10.99ドルの現行Premiumプランの倍近い料金だが、Apple Musicとは違い、音源がロスレスになるだけではないので納得感はあるかもしれない。
もちろん仮にこの情報が正しくとも、取り巻く状況が変化すればまたSpotify Hi-Fiは消えてしまうかもしれない。それも最近の不安定な情勢を反映しているのかもしれない。
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