KDDIはSub6の5Gエリアが2倍に
そんななか、この春から、衛星の地上局とSub6の干渉問題が解決する。業界関係者は「長年の交渉が実り、衛星事業者に地上局を移設してもらうことにした」という。
当然、移設した先ではまた干渉問題が発生することが予想されるが、都心部のように5G通信の需要が多いところではない場所に移設することで影響を最小限に抑えるようだ。
衛星の地上局との干渉がなくなることで、Sub6はようやく威力を発揮する。KDDIでは、干渉問題がなくなることで、Sub6の5Gエリアが2倍に拡大するという。
ソフトバンクの宮川潤一社長も「スカパーに相当協力いただきまして、衛星干渉がなくなってくる。我々も出力を上げられるので、首都圏はさらにつながりやすくなる」と語る。
Sub6による5Gエリア“容量”に違いも
ソフトバンクとKDDI、Sub6による5Gエリアが拡大し、つながりやすくなるということだが、一方で「容量」ではこの2社で違いが出てきそうだ。
実は、5Gの新周波数帯域として、KDDIには200MHz(2ブロック)割り当てられているのに対して、ソフトバンクには100MHz(1ブロック)の割り当てとなっている。
基地局の開設計画数もKDDIが3万4267局なのに対して、ソフトバンクは7355局となっている。
KDDIのユーザーの方が、広い帯域を分け合い、さらに基地局も分散されるということで、高速でかつ安定した通信速度を得られる可能性があるということになりそうだ。
もちろん、各キャリアとも独自にチューニングをしていて、また様々な知見、さらにはユーザーからビックデータを集めているので、KDDIが帯域幅が広く、基地局数が多いからといって、単純に高速化でソフトバンクを打ち負かすということにはならないかもしれない。
ソフトバンクも他の周波数帯を有効活用することで、Sub6に注力するKDDIに勝つ可能性は十分にある。
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