このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

独自LLM「Titan」、AIコーディングアシスタント「CodeWhisperer」も

アマゾン、AWS上で生成AIを扱うクラウドサービス「Bedrock」を発表

2023年04月14日 18時00分更新

文● 田口和裕

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

CodeWhisperer

 昨年からプレビューバージョンが公開されていた、AIでコーディングを支援するCodeWhispererの一般提供も発表された。AWSユーザーはもちろん、それ以外のユーザーもメールアカウントを登録するだけで無料で利用できる。

 CodeWhispererは、10のプログラミング言語(Python、Java、JavaScript、TypeScript、C#、Go、Kotlin、Rust、PHP、SQL)に対応しており、3つ(VS Code、IntelliJ IDEA、AWS Cloud9)のIDE(統合開発環境)から直接アクセスできるほか、それ以外のIDEからも「AWS Toolkit IDE extensions」を使ってアクセス可能だ。

 CodeWhispererは、一般に公開されている数十億行のコードから学習することに加え、アマゾンのコードでもトレーニングされている。

 また、セキュリティ関連の非営利団体「OWASP(Open Worldwide Application Security Project)」で紹介されるような、検出が困難な脆弱性の発見と改善策を提案する自動推論によるセキュリティスキャンを内蔵している。

 さらに、偏ったコードや不公平と思われるコード提案をフィルタリングしたり、ライセンスを必要とするオープンソースコードに類似したコード提案にフラグを立てる機能も用意されている。

 同ツールはマイクロソフト傘下のGitHubが提供する「Copilot」の直接的な競合となる。グーグル傘下のDeepMindも昨年、コード生成AIの「AlphaCode」を発表したが、まだ一般公開はされていない。

 

とうとう本気を出した最後の巨人

アマゾンのAI関連サービス

 今回の発表は、アマゾン恒例となっている株主に向けた年次書簡でアンディ・ジャシーCEOが「生成AIに大きな賭けをする(Amazon is making a big bet on generative AI)」と記した後に行われた。

 生成AI分野ではマイクロソフトやグーグルに遅れを取っていると見られることが多かったアマゾンだが、AWSには以前から機械学習プラットフォーム「Amazon SageMaker」が存在し、自然言語処理に関連したライブラリの開発や人工知能のコミュニティを運営する「Hugging Face」との提携も発表している。

 AWSはコストを抑えて顧客を囲い込む戦略でクラウドの最大手にのし上がったが、生成AI分野でもシェアを獲得できるのだろうか。マイクロソフト/OpenAI、グーグル、メタといったこの分野で耳目を集めるライバルへの宣戦布告とも言える今回の発表で競争はさらに激化する模様だ。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

ピックアップ