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最新パーツ性能チェック 第397回

ゲーム7本でワットパフォーマンスを徹底検証!

799ドルのRX 7900 XTキラー!? GeForce RTX 4070 Tiレビュー【前編】

2023年01月04日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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検証環境は?

 ベンチマークの前に検証環境を紹介しよう。今回は比較対象としてGeForce系はRTX 4080 FE、RTX 3090 FE、RTX 3080 FEの3種類を用意した。さらに同価格帯のライバルとして、RX 7900 XTのリファレンスカードも準備した。ドライバーはRTX 4070 Tiが検証用のβ版、それ以外はGeForce系がGameReady 527.56とRadeon Software 22.1.2となる。

 また、検証環境はWindows 11 22H2とし、ReSizable BARやSecure Boot、コア分離(VBS)やHDRといった要素は全て有効化している。

検証環境
CPU インテル「Core i9-13900K」
(24コア/32スレッド、最大5.8GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」
(インテルZ790、BIOS 0703)
メモリー G.Skill「F5-6000J3636F16GX2-TZ5NR」
(16GB×2、DDR5-5600動作)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 4080 Founders Edition」、
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC」 (GeForce RTX 4070 Ti、12GB GDDR6X)、
NVIDIA「GeForce RTX 3090 Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」、
AMD「Radeon RX 7900 XT リファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ)、
Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用ドライブ)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)

素の性能はRTX 3080の約20%増

 最初の検証は「3DMark」からだ。グラフはラスタライズ系と、レイトレーシング系でグラフを分割している。

3DMark:ラスタライズ系テストのスコアー

3DMark:レイトレーシング系テストのスコアー

 3DMarkにおけるRTX 4070 Tiのポジションは、どのテストにおいてもRTX 3090のやや上といったところだ。当初RTX 4080 12GBと命名してしまったのは、RTX 3080を大きく上回っていることを考慮してだろうか。

 上位であるRTX 4080との性能差はテストにもよるが、差の小さいFire Strikeでは約9%落ち、4K系のテストでは最大約21%(Fire Strike Ultra)、レイトレーシング系では最大約23%(Speed Way)下のスコアーを示している。CUDAコア数の違い(9728基対7680基)を考慮すると妥当な値だ。パフォーマンス的にRTX 3080を上回っていても、RTX 4080とは相当な乖離があるためRTX 4080 12GBという当初の命名は無茶すぎたと言えるだろう。

 そしてライバルRX 7900 XTに対しては、ラスタライズ系テストで最大約26%下(Time Spy Extreme)のスコアーとなってしまったが、逆にレイトレーシング系ではRTX 4070 Tiのほうが10%程度(Speed Way)上回っている。

RTX 3080を大幅に下回る消費電力

 ここでシステム全体の消費電力をざっくりとチェックしておこう。RTX 4090がとんでもない要求スペックで出てきた結果、なんとなくGeForceは電力爆食いというイメージで捉えている人もいるが、RTX 4070 Tiはどうなのだろうか? なお、今回の検証ではRTX 4070 Ti以外はFEもしくはリファレンスデザイン、RTX 4070 TiだけがファクトリーOCモデルである点に注意されたい。

 ここではラトックシステム「RS-WFWATTCH1」を用いて計測した。アイドル時とはシステム起動10分後の安定値を、高負荷時とはTime Spy(3DMark)のGraphics Test 2実行中のピーク値となる。

システム全体の消費電力

 RTX 4070 Tiを組み込んだシステムでは、TGP 320WのRTX 3080よりも消費電力は50W程度低下した。前述の通りNVIDIAはRTX 4070 TiのTGPを285Wとしているが、平均的なゲームのロード時における消費電力は225Wと説明している。

 これを考えればRTX 4070 Tiの消費電力は妥当な結果といえるだろう。Ampere世代よりもAda Lovelace世代はワットパフォーマンスが高いという傾向は、RTX 4070 Tiにも継承されているようだ。そしてライバルであるRX 7900 XTと比較しても、RTX 4070 Tiは45W程度低いピーク値を示している。ゲーム中の消費電力については、個別のベンチマークごとに検証していくとしよう。

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