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「男性育休フォーラム2021」をオンライン開催

積水ハウスが「男性の育休」テーマにした大規模調査、見えてきた課題とは

2021年09月22日 12時00分更新

文● 貝塚/ASCII

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男性の育児休暇を推奨すると、企業にメリットはある?

 男性の育児休暇について、将来の働き手となる20代の就活生はどう考えているのだろうか。

 男女各200人、計400人の20代就活層を対象とした調査では、「男性の育児休暇制度や取り組みの有無が就職の動機に影響する」と回答したのは、男性が56.5%、女性が43.5%となった。また、企業選びにあたって、「男性の育児休暇促進に注力し、制度整備を行なっている企業を選びたいか」という質問では、全体の73.8%が男性の育児休暇促進に注力する企業を「選びたい」と回答し、男性のみでは77.5%が「選びたい」と答えた。

 では、現時点で働いている従業員たちはどう考えているか。「男性の育児休暇制度は、取得する男性従業員の仕事に好影響を与える」という回答は、2800人のうち、70.1%にものぼったという。その中でも、就活層は85.0%、女性部長は78.0%と、数値が高い。さらに、実際に育児休暇を取得した男性に聞くと、90.2%が「好影響を与える」と回答。育児休暇を取得していない男性のうち、「好影響を与える」という回答は59.5%で、育児休暇を取得した男性と、取得しなかった男性の間にも、無視できない意識の違いがあることがわかる。

「男性の育児休暇制度は、取得する男性従業員の仕事に好影響を与えるかどうか」を訊ねたアンケートの結果

 同調査では、育児休暇から離れたテーマの設問も用意していた。それが「現在の仕事にポジティブに取り組めているか」というもので、全体の70.1%が「取り組めている」と回答している。ところが、育児休暇経験がある男性51人だけの結果を見ると、86.3%が「取り組めている」と回答しており、全体より16.2%もポジティブな回答が多いことになる。一方で、育休経験がない男性385人だけの結果では、「取り組めている」という回答は69.6%で、全体よりもわずかに下がった。

 上記の結果から、就活生は男性の育児休暇を好意的に見ている傾向が強いことが読み取れると思う。「現在の仕事にポジティブに取り組めているか」に関しては、回答者の母数が大きく異なるので、「男性の育休を推奨すると、社員の労働に対する満足度が上がる」とまでは断言できないと感じたが、男性の育児休暇は、仕事に対してポジティブに向き合えるひとつのきっかけになり得るとは考えられる。

 あるいは、育児休暇を推奨している企業は、それだけEGSにも目が向いていて、福利厚生も充実しているから、結果的に社員が満足度の高い状態で業務にあたれるとも考えられるだろう。いずれにしても、有職者が男性の育児休暇を好意的に見ているという結果は、男性の育児休暇が、企業のひとつの“ウリ”にもなると言えるはずだ。

全国の9400人に対象を広げたアンケートでは、20代男性の98.5%が「男性の育児休暇に賛成」と回答

 実際、全国の9400人に対象を広げたアンケートでは、2019年は「男性の育児休暇に賛成」という回答が82%だったのに対し、2021年は87.1%と、5.1%増加している。世代・性別別に見ると、20代男性が98.5%と最も高く、40代女性が82.1%と最も低かったが、概して賛成が多数で、多くの人が男性の育児休暇を好意的に見ていることがわかる。

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