世界で売られるスマートフォンは海外仕様機が混じっている
次にフリマアプリやネットオークションの闇としては、前述した不具合のあるものや偽物の問題だ。こればかりは出品者を信用するしかない部分もあるが、最近発生しているのは、グローバルで展開する機種において、海外仕様が混じっているという問題だ。
たとえば日本でも人気のシャオミのRedmi Note 9Sは海外でも売られているが、日本仕様でないと対応バンドや技適の問題などがある。
特にフリマアプリでは詳細を書かないで出品されているケースも多く、ボヤっとした写真だけで判断するのは非常に危険。悪気がなくても詳細を書かない出品者もいる。海外仕様機には別の価値もあるため価格が安いわけではなく、よく見なければ間違えやすい。
世代が古い機種には、安心して使える期間が短いリスク
そのほかネットオークションやフリマアプリでは、憧れだった過去のハイエンド端末の値段が下がって手軽に購入できることもある。その場合には別のリスクが潜んでいる。ソフトウェアやセキュリティアップデートが提供されなくなることもある点だ。
以前ほど、AndroidやiOSのバージョンが古いことによる機能の変化はないように思えるが、身近な問題では、新型コロナウィルス対策として有効な接触確認アプリ(COCOA)はiPhoneではiOS 13.5以上でないと使えない。つまり、iPhone 6s以降が必要なのだ。
iPhone 6sや旧iPhone SEはギリギリセーフだったとしても、OSアップデートの対象外になる時期が迫っているとも考えられ、実用的に使える期間が短いことは認識しておきたい。
また、Androidも古いと問題がある。iPhoneのCOCOAアプリのようにはっきりと利用の可否が分かれることは少ないが、Androidのバージョンが古いとアプリのサポートが減っていき、徐々に使える機能やアプリが減っていくことになる。
AndroidのOSバージョンアップは通常、発売後に1〜2回程度は提供されることが多いが、どこまでサポートするかはメーカー次第。少し前のハイエンド機種では、買ったときにはすでにバージョンアップは事実上打ち止めということもあるのだ。
そして、古い機種はバージョンアップだけでなくセキュリティの更新も放置されることもある。手持ちの2016年発売のAndroidのスマートフォンの場合、セキュリティパッチは2019年10月のままで止まっている。これではハードウェアが正常で問題なく動作していても、安心して利用できるかといえば不安がある。
Galaxy A20のようにお得な中古端末もある
リスクをよく理解して購入を
中古スマートフォンについて不安になる話ばかりをしてきたが、そのなかにはお得でおすすめのものもある。それは、以前にも紹介(「未使用品でも1万円台と激安でザワつく、「Galaxy A20」を格安SIMで試す」)したサムスン「Galaxy A20」で、ドコモ/au/UQ mobileから販売され、しかも中古市場に未使用品も含めて、格安の価格で豊富に流通している。
Galaxy A20はエントリークラスのスマートフォンで、プロセッサこそ最低限のものだが、おサイフケータイや防水に対応、しかもドコモ版のGalaxy A20(SC-02M)は1万円を少し上回る金額で手に入れられる。
今はドコモから回線契約がなくても単体購入も可能ではあるが、その場合の価格は2万1384円で、中古購入はリスクを差し引いてもオトクだ。
また、最近ではドコモ版だけでなくau版とUQ mobile版のGalaxy A20(SCV46)も中古市場に多く出回っている。ドコモ版よりも相場は若干高いが、楽天モバイルのRakuten UN-LIMITにもほぼ対応するため、利用するSIMによっては適した仕様が選べる。
保証や端末補償の問題は、ここまで安いスマートフォンならあまり気にしなくてもいいかもしれない。実売価格とデメリットを踏まえ、よく考えて手を出してほしい。
必要なのは、中古のメリット・デメリットを良く知ること
安心なのは正規の販売店で新品のスマートフォンを購入することだが、金額や入手の問題で中古機を選びたいときもある。
筆者は中古機を否定するつもりはまったくなく、むしろ、適正な取引は推進したいほうだ。後で後悔しないためにも中古としての状態のほか、保証や補償のこと、バージョンアップのことなどをよく踏まえ、最良の中古機を選んでほしい。
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