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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第123回

コーヒー人生が変わる!? 「コールドブリュー」のおいしさを自宅で堪能する

2020年08月25日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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水出しコーヒー「コールドブリュー」とは?

 最近、「水出しコーヒー」を毎日飲んでいます。筆者は、それほどコーヒー通ではなく、普段はカプセル型コーヒーマシンのネスプレッソで淹れたものを、1日に3〜5杯。外出時は缶コーヒーで済ませてしまうほど、ストライクゾーンがガバガバなコーヒー人生です(笑)。

 突然、水出しコーヒーにハマったのは、動画配信「なかマジ」を一緒にやっている幅さんからOXO製「BREW コールドブリュー濃縮コーヒーメーカー」をプレゼントしてもらったのがキッカケです。

 馴染みがない方に説明すると、水出しコーヒーは挽いたコーヒー豆を8〜24時間ほどの時間をかけて水で抽出したもの。筆者も初めて自分で作ってみました。

「コールドブリュー」コーヒーが作れるOXO「BREW」

 一般的なアイスコーヒーが、お湯で抽出したコーヒーを冷やして作るのに対して、水で抽出するのが水出しコーヒー。16世紀ごろにインドネシアで生まれた「ダッチ・コーヒー」がそのルーツだと伝えられています。

 さらに、それまで水出しコーヒーがあまり主流でなかったアメリカのコーヒー専門店で生まれたとされるのが「コールドブリュー(COLDBREW)」という浸け置き抽出法。「ブリュー(BREW)」は「醸造」や「煎じる」が意味の英単語です。いわゆる「コールドブリュー」は、おおまかに言えば「水出しコーヒー」とほぼ同じ意味だと考えてもいいでしょう。

 ちなみに水出しコーヒーの抽出方法の発祥については諸説あり、京都の喫茶店で考案されたという説もあるそうです。

とにかく時間と手間がかかる

 水出しコーヒーがあまり一般的にならない理由は、おそらく、出来上がるまで時間がスゴくかかること。最低でも常温で8時間、冷蔵庫内なら24時間ほど抽出時間が必要です。なんとなく「アイスコーヒーでも飲みたいなぁ……」と思っても、その日のうちには飲めないことがほとんど……(笑)。さらに、コーヒー豆を用意して、場合によっては、豆を挽く必要もあるので、多忙な現代人には敬遠されるかもしれません。

 そんな苦労がありながら、筆者がほぼ毎日、愛飲する理由は、とにかくおいしいから。大げさではなく「普段のコーヒーとは別の飲み物?」と感じるくらいです。

 筆者の好みは、細挽きした175gのコーヒー豆に対して700mlの水、冷蔵庫で24時間抽出したもの。出来上がるコーヒーは500ml弱になりますが、そのままでは濃すぎるので、水かミルク、または両方で希釈しています。もちろん、好みでガムシロップを入れてもOKです。

 余談ですが、自家製のガムシロップも作るほど、水出しコーヒーの魔力に取りつかれ、喫茶店の店主のように過ごしています……(笑)。

コーヒーなどの嗜好品は好み

 と、ここまで水出しコーヒーを説明しましたが、やはり嗜好品は、それぞれの好みなわけです。それでも、多くの人が認める水出しコーヒーの特徴は以下の通り。

・常温、もしくは冷水で抽出するのでカフェインが少ない
・苦味や渋みが少なく、さっぱりしている
・熱を使わないので良い香りを失いにくい

 さらに筆者の場合、水出しコーヒーを飲むようになって、胃腸の動きが活発になったり、リラックスした気分が長続きしたりなど、心持ち体調が良くなった気がしています。もちろん、「そんな気がする……」の範疇ですが……。

おいしく淹れるポイント

 「水出しコーヒーを自分で淹れてみたい!」という方に向けて、おいしく淹れるポイントをいくつか挙げてみると……。

おいしく淹れるポイント
(1)出来ればコーヒーは豆で買い、ミディアムロースト以上を選ぶ
(2)可能なら、ハンドピック(欠陥豆を除くこと)する
(3)粉の細かさは中挽きから試すと良い

黒いキャニスターに挽いたコーヒー豆を入れて水をそそぐ

 上記の(1)の理由は、(2)に挙げた、ハンドピックができるから。水出しコーヒーでは、欠陥豆による味の影響(渋みやえぐみ)が特に出やすいと言われています。専門家は生豆の状態でハンドピックするらしいのですが、焙煎後でも欠陥豆を見つけることができます。やり方は簡単、色や形が違う豆を、(全体があまり減らないくらいに)取り除くだけです。

 (3)については、好みだと思いますが、粗挽き(苦味と香りが少ない)〜細挽き(苦味、香りも強くなる)という傾向があります。まずは、中挽きで淹れてみて、それぞれのコーヒー豆の特徴や、自分の好みを見つけるといいでしょう。

濃縮コーヒーメーカー「BREW」のスペック

 筆者が使っている「BREW」の「おすすめレシピ」によると、コーヒー粉175g、水700mlで出来上がり量が470mlと説明されています。実際に淹れてもほぼその分量が抽出されますが、出来上がりのコーヒーはとても濃いので、水またはミルクと1:2〜3でアイスコーヒーにすることが推奨されています。

BREWだと、175gの豆と700mlの水で470mlの濃縮コーヒーが作れる

 少し整理すると、175gのコーヒー豆で、最終的に1410〜1880mlのアイスコーヒーになる。アイスコーヒー1杯が180mlなら、それに必要なコーヒー豆はおよそ20g/杯ほど。

 筆者が使うコーヒー豆「澤井珈琲(アイスブレンド、水出し珈琲用)」なら、Amazon.co.jpで1500gで2999円なので(8月19日現在)、1杯あたりのコーヒー豆のコストはおよそ40円ほどです。筆者は濃いめが好きなのですが、もし1杯あたりのコーヒー豆の使用量を、一般的な10g/杯におさえれば、コストはおよそ20円に下がります。

 水出しコーヒーなら、電気もガスも使わないので、計算してみると、かなりリーズナブルなことがわかります。細かく計算すれば、ミルクや砂糖などのコストもかかりますが、これ以上計算すると「コールドブリュー」の幻想が壊れてしまいそうなので、ご容赦いただければ幸いです。

 もしかしたら、なんでもすぐに手に入るネット時代だからこそ、手間と時間が「おいしいと感じさせるマジックのタネ」なのかもしれませんが……。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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