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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第565回

性能/消費電力比が優秀なGoogle TPU AIプロセッサーの昨今

2020年06月01日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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HBMの容量とMXUが倍増された
第3世代Google TPU

 Google TPU v2をベースに、さらに高速化を図ったのが2018年のGoogle I/Oで発表されたGoogle TPU v3となる。基本的な設計は共通だが、HBMの容量とMXUが倍増され、動作周波数もやや引きあがったらしい。

Google TPU v3では、ついに水冷になった。チップあたりの消費電力が250W(Google TPU v2は200W)に達し、空冷ではどうにもならなくなったようだ

動作周波数はGoogleからは未公開だが、Patterson教授によれば940MHzとされる。ダイサイズは648平方mm弱(Google TPUは611平方mm弱)とのこと

 チップあたりの性能は120TFlops(=120TOP/s)になるが、Goole TPU v2に比べてもはるかに大規模なPodが構築可能となり、8ラックで100PFlopsを超える性能が実現できたとしている。

水冷によって高密度実装が可能になったためか、8行4列から16行2列に並べ方が変わったものの、引き続きラック当たり32枚のボードが搭載され、これが8ラックで256枚、チップで言えば1024個が搭載される。おのおのが120TFlopsなら122.9PFlopsほどとなる計算だ

 このGoogle TPU v2/v3はGoogle Cloudで一般向けにもサービスを提供しており、(料金さえ払えば)誰でも使える。

 AI専用プロセッサ-というものが実用になること、そして市場があることを示したのがGoogle TPUであり、現在もユーザーがそれと気が付かないところで広く使われているわだ。

 ちなみにGoogleは2018年にEdge TPUというまっく異なるTPUもリリースしているが、こちらは稿を改めて触れることにしたい。

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