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「NEC Future Creation Hub」と「NEC Future Creation Lab」、ひとつのストーリーで2施設を展開する意味

NECが同時オープンした2つのショールーム、訪問&体感してきた

2019年02月08日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NECでは2019年2月、東京都港区の本社ビル内に「NEC Future Creation Hub」を、また本社から徒歩1分の芝三丁目ビル1Fに「NEC Future Creation Lab」を同時オープンした。共通する施設名からもわかるように、この2つの施設は“ひとつのストーリー”のもとに構成されており、同時に役割分担も明確になされている。

 オープン直後の2施設を訪問できたので、今回はそれぞれの施設内容や特徴、そして両施設間につながりを持たせた狙いなどをご紹介したい。

「NEC Future Creation Hub」のエントランス
「NEC Future Creation Lab」のエントランス

「Future Creation Hub」と「Future Creation Lab」の位置付け

 まずはこの2施設、「Future Creation Hub」と「Future Creation Lab」の位置付けについて見ておこう。

 以前の記事でもお伝えしたように、Future Creation Hubは、NECが2009年から品川で運営してきたソリューションショールーム「NEC Innovation World」の後継施設となる。ただし、従来型のショールームとは異なる「体感と対話で、新たなイノベーションを生む共創空間」という新たなコンセプトを掲げている。具体的に言えば、顧客企業の経営層やLOB幹部へのトップアプローチを意識しており、双方向の深い議論を通じて、顧客とのビジネスパートナー関係の構築を目指す。

Future Creation Hubの会議室。ビジネス戦略や課題といった「深い議論」を目指すのが同施設の特徴

 一方、Future Creation Labのほうは、2018年2月から運営してきた「NEC Platform Solution Center」をリニューアル、改称した施設だ。もとを正せば、2005年から秋葉原で営業していた店舗型ショールーム「クラサバ市場」を本社そばに移転したことをきっかけに、サーバーやネットワークといった単体製品ではなく、顧客課題に直接対応するICTソリューションを提案する施設へと舵を切っている。

Future Creation Labのオープンデモ展示スペース。実機展示もあり、ノートPCの「軽さ」や「キータッチ」を体験に来る顧客も

 そして、これら2つの施設はひとつのストーリーでつながっているという。Future Creation Hubでトップアプローチを行い、顧客と未来ビジョンを共有するビジネスパートナーとしての関係を構築しつつ、すぐにソリューション導入が必要であればFuture Creation Labを訪れて具体的な説明や検証を受けることができる。それだけではなく、新たな発想が必要であれば「共創プログラム」のワークショップを実施したり、最新技術活用が必要であればNEC中央研究所の支援も受けたり――といった展開も考えられている。

 このようにFuture Creation Hubは、顧客との共創の“起点”になると同時に、NECという組織全体の“ハブ”としての機能も担っていく構想だ。

未来のビジョンや課題を顧客と共有し、議論を深める「Future Creation Hub」

 それでは両施設の内容を見てみよう。まずは、本社ビルのFuture Creation Hubのほうからだ。

 Future Creation Hubは大きく6つのエリアで構成されており、ルートに沿って一周するかたちで体験できる。ただし、常設展示を軸としたこれまでのショールームとは異なり、すべての来場者に同一のコンテンツを提供するわけではない。これが同施設の大きな特徴である。

 具体的には、来場する企業の事業戦略や事業課題に沿ったプレゼンテーションやデモシナリオを用意し、より深いレベルでの共感や議論へとつなげていく。そのため、同施設の利用は完全予約制となっており、1社あたり数時間をかけてツアーとディスカッションを行うことを標準的なプランとしている。

 同施設センター長の野口圭氏は、Future Creation Hubには「NECの製品やソリューションをあまり置きすぎないよう配慮した」と説明する。NECが考えた“答え”を一方的に提示するのではなく、あくまでも顧客を主役として、ここから顧客と共に考え実践していくスタンスを示すためだ。

 たとえば、2030年の未来にあるべき社会や生活、ビジネスの姿をストーリー映像で紹介する「Future Society Zone」の「Social Innovation」や、近未来のさまざまな社会課題やビジネス課題をインフォグラフィックスで伝える「Theater」などが用意されている。まずは顧客とNECの間で未来のビジョン、そして解決すべき課題を共有することを目的としたものだ。

「Future Society Zone:Social Innovation」では、2030年の未来にあるべき社会や生活をストーリー映像で紹介する

 さらにこのFuture Society Zoneには、AI(画像認識や顔認証)やロボット、IoTといったテクノロジーが進化し、組み合わさることで、製造/流通/小売の各現場がどう変わっていくのかを具体的に示したデモ展示もある。たとえば小売店舗では、画像認識と顔認証によるキャッシュレス方式のセルフレジと入退店ゲート、客が手にした商品の自動説明ディスプレイ、商品棚の視線ヒートマップといった機能が紹介されていた。これらもNECのソリューション紹介ではなく、来場者が「ICT活用によってどんなことが可能になるのか」を具体的にイメージするための展示という位置づけだ。

製造/流通/小売の各現場に訪れる未来を体感するためのデモ展示

 そのほか、リモート拠点も含む多様な相手との活発なコラボレーションを意図した「Collaboration Zone」、情報通信とコンピューティング、AIといった“NECのDNA”を紹介する「Innovation Gallery」エリアもある。空間設計にも運営にも多くの“余白”が取られており、顧客の自由な発想を邪魔せず、NECが共に動いていくというスタンスが伝わってきた。

 ちなみに、NECが注力する顔認証技術は、Future Creation Hubの施設全体で活用されている。たとえば会議室エリアではドアセキュリティだけでなく、来場者を識別して入るべき会議室をライトアップする仕組みも構築している。デモ展示内でもパスポートと組み合わせた入出国ゲートセキュリティ、年齢/性別推定などの用途で紹介されていた。

顔認証技術も多様な目的で活用されている

今すぐ導入できるソリューションを体験、検証する「Future Creation Lab」

 “少し未来のビジョン”を体感、共有するのがFuture Creation Hubならば、“今すぐ導入できる”最新のNECソリューション群を体験、検証できるのがFuture Creation Labだ。

 こちらの施設も予約制で個別にソリューションデモが体験できるほか、ハンズオンや演習セミナーも頻繁に開催している。さらに検証作業のためのサーバールームも備えており、ソリューション体験から導入検討、具体的な効果検証まで、ひととおりの作業環境が整っている。

デモルーム。人気の高い顔認証ソリューションのデモがセットアップされていた

 同施設は昨年4月からPlatform Solution Centerとして運営されてきたが、ソリューションデモは常に人気が高く、4~12月の8カ月間で600社弱がデモ体験を行ったという。

 Future Creation Labでは数十種類のソリューションデモを用意しており、新たなソリューションのデモも随時追加されている。現在、特に注目度が高いのは顔認証ソリューション「NeoFace」のデモで、「平均で1日1件以上は体験予約が入っている」という。そのほか、RPAツールの「NEC Software Robot Solution」、Web会議ソリューションの「Zoom」も人気が高い。

ドキュメントスキャナ+OCR+RPAによる、紙帳票からのデジタルデータ入力ソリューションも実際の動きをデモで確認できる

 Future Creation Labのスタッフを務めるシニアエキスパートの中島泰宏氏は、製品資料だけでは伝わりにくい、実際の使い勝手を確かめるためにデモ体験に訪れる顧客が多いと説明する。

 「たとえば資料に『顔認証のスピードが速い』と書いてあっても、感覚的にはわかりづらい。どのくらい速いのか、どのくらい暗い部屋でも認識できるのかなど、説明するより体験したほうが早いとお越しになるケースはよくあります。同じように、Zoomも『音が良い』ことがアピールポイントなのですが、これも実際に体験してみたいというお客様が多いですね」(中島氏)

 また、デモルームに隣接するサーバールームの設備を利用して、SDN(Software-Defined Network)やシンクライアント、セキュリティなどのソリューションデモも体験できる。加えて、時間をかけて本格的に導入効果を検証したい顧客向けには、専用のワークルームも貸し出しているという。

セミナールーム、サーバールーム、ワークルームと、NECのソリューションを実体験し検証するための設備がそろっている

* * *

 このように、NECが今回オープンした2つのショールーム施設は、どちらも特徴的な位置付けを持つのと同時に、ひとつのストーリーでつながっている。企業がこれからのデジタル戦略を考え、具体的なアクションを起こしていくための“起点”として役立つ施設となるだろう。一度訪問し、体験してみてはいかがだろうか。

 なお、両施設ともすでに多くの予約が入っているとのことなので、体感したい方は早めに問い合わせられることをお勧めしたい。

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