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動くサーバがいつでも見られる!ここがお客様と市場の最前線

アキバに根ざすNECの店舗型ショールーム「クラサバ市場」かく戦えり

2014年10月14日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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2005年6月、秋葉原で産声を上げたNECの「クラサバ市場(いちば)」。PCパーツショップやメイド喫茶がひしめく秋葉原で、NECのPCサーバー「Express5800シリーズ」を中心としたビジネス向け商材の展示とデモを通じて、“こだわり”を発信し続けてきた。まもなく10年を迎えるクラサバ市場の“奮闘”を振り返る。(インタビュアー TECH.ASCII.jp 大谷イビサ)

「クラサバ市場」名前の由来って、えっ?そこですか?

 NECのクラサバ市場は、動くサーバーを生で見られる“店舗型”ショールーム。「見て、触れて、納得できる “見”体験ゾーン」をキャッチコピーに、秋葉原にある実店舗風スペースで、Express5800シリーズ関連商品の展示・デモなどを逐一行なっている。秋葉原では珍しいB2B系のショールームだが、2005年のオープン以来、その地の利を活かし、さまざまな営業や商談で利用されてきた。

昭和通りからベルサール秋葉原を曲がって数分で到着する立地のよさ

 クラサバ市場登場の背景には、元々は営業主導で進めていた小さな展示会をまとめ、常設化しようという意図があったという。では、なぜ秋葉原か? クラサバ市場 秋葉原店 店長の中島泰宏氏は、「新宿、渋谷、池袋など、いろいろありますけど、ITの色が一番濃いのは、やはり秋葉原。街を歩いている人のIT比率は絶対に高いし、周りには中小のSIerさんも多いんです」と語る。秋葉原をITの街にしようという開発計画があったのも大きい。実際、JR駅のリニューアルにあわせ、ダイビルやUDX、ベルサール秋葉原、ヨドバシカメラなどが建ち、街の風景が大きく変わったのはご存じの通りだ。

クラサバ市場 秋葉原店 店長 中島泰宏氏(NEC ソリューションプラットフォーム統括本部 シニアエキスパート)

 ちなみに「クラサバ市場」の名前の由来はなにか? クラサバ市場の古江直紀氏は「サバ(鯖)だから、やはり“市場”なんじゃないですか(笑)。それは冗談ですが、クラサバ=クライアントサーバの“市場”としたのは、単なるショールーム機能だけでなく、システム導入相談も可能な販売店舗に近い役割もあること。とにかく気軽に見て、触ってもらって、製品の理解を高めて欲しい、秋葉原の土地に合った身近で入りやすい場所になりたいと、この名前にしたと聞いています」と語る。

クラサバ市場 秋葉原店 古江直紀氏(NEC ソリューションプラットフォーム統括本部 主任)

「なぜうちにはお客様が来ないんだろう」「先生は周りにいっぱいいた」

 そんなクラサバ市場が重視しているのは、店舗名の由来の通り、秋葉原という街との親和性や一体感。店舗風というのがミソで、秋葉原という場所になじむようにしている。「アキバの一員、しかもお店の一員としてショールームをやっています。だから店名にメーカー名も入らなかったし、来店しやすいように土曜日も営業しています。あくまで店舗の視線でお客様に対応しようというのは変わりません」と中島氏は語る。

1階にはスリムサーバや水冷サーバーが設置最新タブレットも展示されており、使い勝手を試せる

 オープン当初は来客数が少なかったので、まずは周りの店を見て勉強した。「なぜこの店はこんなにお客様が入るのか、なぜうちにはお客様が来ないのだろうと思い、いろんな店を見させていただいた」(古江氏)。すると、店の前に商品やPOPを陳列する、手書きのチラシを毎日張り替える、毎週何かしらイベントをやるなど、他店のさまざまな工夫が目に入ってきた。「先生は周りにいっぱいいました」(古江氏)とのことで、時には、秋葉原ではかえって目立つスーツを着たり、「ビッグデータ市場」など半期に1回ごとに旬なネタでイベントを実施したという。

 そんなクラサバ市場に来店するのは、提案前に実機を見ておきたいと言う営業や、新製品の情報を調べに来るSE、IT業界を目指す学生や専門学校生、東京出張ついでに寄った地方のIT業者さんなど、実にさまざま。「最初は信じられなかったですが、土曜日にポロシャツ姿でフラっと社長さんがやってくるんです(笑)」(古江氏)とのことで、市場調査がてら休みの日に秋葉原を散歩しに来るIT関係者がクラサバ市場に立ち寄るのだという。

SIGMABLADEのブレードの抜き差しもできるコンポーネントを完全冗長化したftサーバーも見られる

 来店者は半期で3500名程度だそうだが、現在ではよりビジネス活用の拡大を重視している。「当初は、とにかく来店者を増やそうとしていましたが、あくまでも企業の⽅の来店がメインになりますので、施策もできるだけビジネストレンドに合ったテーマのものを実施しています」(中島氏)という。

「6時間いらっしゃった方もいた」

 こだわりはやはりデモ。シンクライアントやクラスタリング、運用管理など、とにかく説明ではなく、デモを体感してもらうことで、理解を深めてもらうのが大きな目的だ。古江氏は「メーカーにいると、製品単位でモノを考えがちなので、サーバーはサーバー、ネットワークはネットワークで説明が終わってしまう。でもお客様は組み上がったシステムで見られますから、動くデモはとても重要。それと、社内の複数の部門と関わりながら、デモを作るのも楽しい」と語る。展示会と異なり、店舗型なので、いったん作ったら半年くらいデモし続けられるのもメリット。予約も受け付けているので、じっくりデモを楽しめる。

「CLUSTERPRO」でサーバーを二重化。遠隔のサーバーに処理をフェイルオーバーするデモ
ミドルウェアのデモやプレゼンを見ながら、なるほど納得

 とはいえ、せいぜい展示会で説明に立つくらいで、お二方とも今まで店頭に立った経験はなかった。「聞き出し上手のお客様がけっこう多いので、情報をガードするのが大変。あとは長くいらっしゃる方。6時間という方もいましたよ(笑)」(古江氏)とのことで、それなりの苦労もあった。しかし、最近は常連になっていただいた方と情報交換をしたり、できるだけフランクな関係を作る。常設されている店舗型のメリットを活かすわけだ。「ダイレクトにお客様と話すのは苦労もあるけど、やはり面白い。店頭のPOPを変えるだけで、店頭のお客様の反応が変わる。まさに市場と面している感じがするんです」と中島氏は語る。

 中⼩のSIerや特定の営業がついていない中⼩企業・SOHOをターゲットにしているが、基本はどんなお客様も歓迎している。「やはりアキバのお客様なので、パソコンやロボットのPaPeRoを⾒にいらっしゃる方も多いです。もちろん、そういった⼈たちにも楽しんでもらえるようにしています。NECをもっと身近に感じていただきたいというのが当初からのスタンスですから」(古江⽒)。直接的につながらなくとも、CSやブランドイメージ向上への影響は大きい。

まもなく10年!クラサバ市場が続いた理由

 ご存じの通り、秋葉原ではメーカーのショールームやサポートセンターのクローズが相次いでいる。こうした中、クラサバ市場は、なぜここまで続いてきたのか? これは「みんなに応援してもらっているから」に尽きるという。中島⽒は「社内にも随時店舗の情報を提供しているので、営業がお客様を連れてきます。パートナー様にもあそこで⾒てきたら?とご紹介いただけるし、なによりいらしていただいたお客様の声を直接、開発やマーケにフィードバックできますからね」と語る。社内の営業、パートナー、そしてユーザーそれぞれにクラサバ市場の存在意義が認められているわけだ。

「10年近く続いたのは、みんなに応援してもらっているから」

 また、NECというブランドの持つある意味の「堅苦しさ」を打破できたのも⼤きいようだ。「やはりNECなので、⼟曜日にジーパンやポロシャツを着てここに⽴つのは抵抗がありました。でも、みんなが応援してくれたので、徐々にイメージから脱却できた。『お堅いと思ってた』とお客様から⾔われるのはうれしいですね」(古江⽒)。

 さて、次はどうするか? 「先日、店舗をリニューアルして、展示やデモがより見やすくなりました。Windows Server 2003のサポート終了に伴うご相談も増えていますし、そういったご要望にも積極的に対応していきます」(中島⽒)。さらに先も見ている。お⼆⽅が⼊れ込んでいるのは、店頭でお客を迎えるPaPeRo。つまりロボットだ。「今後、アキバはロボットの街になる。そして、ロボットの向こうにクラウドがあり、ビッグデータがあり、そしてサーバーがある。そういったムーブメントを下⽀えしていきたい」(古江⽒)。NECが志向するソリューションの部品として、ロボットが加わり、それをエッジなアキバの⼈たちに訴求する。3年後にはもう実現していそうな⾵景だ。

今は店頭にPaPeRoとタブレットの地図を設置し、気軽に使えるようにしている。アキバでチェック!

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