欧州で提供されるAndroidが、他の地域とは違うものになるかもしれない。
7月、Androidへの検索アプリなどの抱き合わせに対して、EUから50億ドルという罰金とともに、競争法違反の烙印を押されたグーグルだが、10月16日に是正策を発表した。同時に上訴したことも明らかにしている。
Google検索をモバイルでもプッシュする必要があった
歴史は繰り返すというが、デスクトップOSで起きたことと同じことが、モバイルOSでも起きている。前者は2009年にWindowsとInternet Explorerで、そして今回のAndroidとGoogle検索だ。
EUの執行機関である欧州委員会(EC)は2015年4月、Googleに対する正式な調査を開始。2016年になって「異議告知書」を送り、EU競争法(独占禁止法)の訴訟がスタートした。
これは「AndroidデバイスにGoogle Searchをインストールさせてデフォルトかつ唯一の検索サービスにしている」「競合する検索エンジンとブラウザーを市場に入れなくしている」として、「検索の独占的立場をモバイルデバイスでも維持する戦略をとっている」とするECの暫定的な見解に基づくものだ。
そして7月のクロ判定時は、以下の3つの方法を違法とした。
・Google SearchとGoogle Chromeをプリインストールするようにメーカーに要求している
・Google Searchを独占的にプリインストールした一部の大手メーカーと通信事業者に対して、報酬金を支払っている
・新しいAndroidのオープンソースバージョン(フォーク)開発を制限している
これにより、欧州経済領域(EEA)の消費者は、OS、ブラウザー、検索エンジンのそれぞれにおいて、選択肢が狭くなっているというのが結論だ。
もちろん、Google検索/Chromeがプリインストールされていても、他の検索エンジンやブラウザーを使うことはできる。だが、ECは競合する検索アプリのダウンロードは1%にも満たず、Chrome以外のブラウザーを入手するユーザーも10%程度としており、Googleのビジネス慣行を批判した。
これらを踏まえて、ECはGoogleに対して43億4286万ユーロ(約5600億円)の罰金を課した。罰金の金額としては過去最高だが、ECによると2011年以降に欧州市場において、GoogleがAndroid上での検索関連で売り上げた収入をベースに割り出した金額という。だが(もっと)驚くことに、2017年のAlphabet(Googleの親会社)の財務報告に基づくと、同社にとってこの金額はたった16日分の売上高に過ぎないのだ。
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