AndroidはGoogleが検索・広告での優位性をモバイルでも維持するために開発されている製品であることは、登場時から言われてきたことだ。しかし、Androidのスマートフォンにおけるシェアトップが揺るぎないものになる中、Androidはモバイル制覇をもくろむGoogleが仕組む「トロイの木馬だ」という苦情が欧州連合に出された。提出したのはFairSearchという業界団体。メンバーの中にはMicrosoftの名前がある。
AndroidとGoogleのモバイル戦略
トロイの木馬?
FairSearchはその名称の通り公正な検索・広告市場を目的に掲げる業界団体で、主としてこの分野で大きなシェアを持つGoogleの動きに目を光らせている。Microsoftのほか、Nokia、Oracle、Expedia、TripAdvisor、Kayakなど17社から成る。なお、OracleはJavaとAndroidでGoogleと法廷で対立関係にあり、2012年9月に同団体に加入している。
4月9日、FairSearchはプレスリリースを発表し、Androidを使ったGoogleのモバイル戦略を批判した。デバイスメーカーにAndroidを無料で提供しつつ、Googleアプリをユーザーに提供したいメーカーに対し、Googleのモバイルサービススイートをバンドルすることを要求しており、結果としてこれらのGoogleサービスがデフォルト的な場所に配置されているという。これは「他のサービス提供者が不利になる」「Googleによるモバイル端末を利用したユーザーデータの収集を可能にしている」と続けている。
FairSearchは2012年に出荷されたスマートフォンに占めるGoogleのシェアは70%、モバイル検索に占めるGoogleのシェアは96%といったデータを参照。「Androidはメーカーをだまし、モバイル市場を独占し、コンシューマーのデータを掌握するためのトロイの木馬だ」というFairSearch法務顧問のThomas Vinje氏のコメントを添えている。
なお、EUでは2010年にはじまったインターネット検索・広告の独占禁止法調査で、Googleとの和解に向けた作業が大詰めを迎えている。ここにAndroidを含むかどうかも議論の余地があるため、このタイミングで苦情を出すことでプレッシャーをかけたともとれる。
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