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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第572回

最近のデジカメは夜の猫もきれいに撮れる

2018年08月11日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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お店や住宅の灯りに照らされる猫がきれい

夕暮れ時、公園入口の石の上にちょこんと座ってたチャトラのハチワレ。お店の灯りがほんのりとともっている商店街だが、歩いている人はいないというちょっと侘しい感じがいい(2016年4月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

夕暮れ時、公園入口の石の上にちょこんと座ってたチャトラのハチワレ。お店の灯りがほんのりとともっている商店街だが、歩いている人はいないというちょっと侘しい感じがいい(2016年4月 パナソニック LUMIX DMC-TX1)

 AF的に難易度が高くても、街の灯りと一緒に猫を撮るってのは魅力的だ。雑然とした夜の路地と猫ってすごく合う。

 首輪をしてるので、この路地のどこかの店で飼われてるんだろうと思う。

だいたい、木造の屋根がついた小さな路地ってのは飲み屋街なわけで、ここも例外ではなく、でも日が暮れたばかりで賑わいを見せるにはまだ早いという冬の黄昏れどきに猫が似合うのだ(2013年12月 カシオ EXILIM EX-10)

だいたい、木造の屋根がついた小さな路地ってのは飲み屋街なわけで、ここも例外ではなく、でも日が暮れたばかりで賑わいを見せるにはまだ早いという冬の黄昏れどきに猫が似合うのだ(2013年12月 カシオ EXILIM EX-10)

 夜の猫撮影が楽しいのは、昼間ほど暑くない、昼間に比べて猫が油断してる、そして灯り。

 夜の猫撮影はどうしても街の灯りが頼りになる。街灯や公園灯、窓から漏れる光。

 自然光とは違い、明暗差も大きい。その光をどう使うかもまた夜猫撮影の楽しみのひとつなのだ。

コンデジとしてはこのあたりが限界かなあ、というギリギリの暗さ。軒先にちょこんと猫がのっかってたので望遠で手ブレしないよう気合いを入れて撮影。右手と奥が真っ暗なのは、そこがお墓だから。あ、目を凝らしても何も怖いものは写ってません。たぶん(2013年12月 オリンパス Stylus1)

コンデジとしてはこのあたりが限界かなあ、というギリギリの暗さ。軒先にちょこんと猫がのっかってたので望遠で手ブレしないよう気合いを入れて撮影。右手と奥が真っ暗なのは、そこがお墓だから。あ、目を凝らしても何も怖いものは写ってません。たぶん(2013年12月 オリンパス Stylus1)

 これは深夜の猫。後ろはお寺なので夜は真っ暗。手前の旧い家の軒に猫が寛いでて、ちょうど街灯の光が当たってくれた。

絵面的に、飼い主の帰りを待っている猫って感じだけど、そういうわけではないかと思う。右手から光が当たってることで、「玄関を背に待ってる感」が出てるわけで、光って大事(2018年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

絵面的に、飼い主の帰りを待っている猫って感じだけど、そういうわけではないかと思う。右手から光が当たってることで、「玄関を背に待ってる感」が出てるわけで、光って大事(2018年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 マンション前の駐車スペースにあらわれたグレーと白の猫。背中に当たっているのはマンションエントランスの照明。

 こういう光の当たり方も夜ならではの楽しさなのだ。

 最後は夜の公園猫。

左下の草の向こうに猫がちょこんと座ってるのである。夜ならではの光と影がいい。すごく暗くてもちゃんと写ってるのはさすがフルサイズセンサー機だなあというISO 12800なのだった(2018年4月 ソニー α7 III)

左下の草の向こうに猫がちょこんと座ってるのである。夜ならではの光と影がいい。すごく暗くてもちゃんと写ってるのはさすがフルサイズセンサー機だなあというISO 12800なのだった(2018年4月 ソニー α7 III)

 木の陰にちょこんと座ってて背景の方が明るいという過酷な状況だったけど、プラスの補正をかけ、猫がちょっと浮かび上がるように狙ってみた。

 さすがフルサイズセンサー機、という写り。

 と、5年前のコンデジから最新のミラーレス機まで夜猫写真を並べてみたけど、夜の猫っていいですな。夜猫撮影用に超明るい中望遠レンズが欲しくなってきた。そういうレンズって高いのでなかなか手を出せないのだけれども。

 日が暮れると、昼間はまったく見かけない猫がふらっと油断して道を横切ってきたり、塀の上で寛いでたりするので、夜買い物に行くとかコンビニにちょっと出かけるとか、そんなときでも夜猫撮影ができるカメラとレンズを持ってブラブラキョロキョロしながら歩くのも夏ならではかと思います。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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