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Jaybirdは“オーディオブランド”ではなく“スポーツブランド”

Jaybirdがスポーツ向けイヤフォンしかつくらない理由とは

2018年07月03日 18時30分更新

文● 八尋/ASCII

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「Jaybird RUN TRUE WIRELESS SPORT HEADPHONES」

 ロジクールが展開するブランド「Jaybird」。完全独立タイプのワイヤレスイヤフォン「Jaybird RUN TRUE WIRELESS SPORT HEADPHONES」やワイヤレスイヤフォン「FREEDOM 2」などスポーツに特化したイヤフォンを展開している。

 先日、同ブランドのプレス向けセミナーが開催された。そこでロジクール クラスターカテゴリマネージャーの黄 佑仁氏が語った中で印象的だったのは「JayBirdはオーディオブランドではなくスポーツブランドだ」と語ったことだった。

ロジクール クラスターカテゴリマネージャーの黄 佑仁氏

Jaybirdはオーディオブランドではなくスポーツブランド

スポーツシーンに音楽を
Jaybirdがスポーツブランドたる所以

プロのアスリートとともに、先に防汗や耳にフィットするデザインなどを手掛け、その後に音質に取り組んだのだという

 Jaybirdが生まれたのは2006年。当時はそこまでBluetoothイヤフォンの数も多くなかった。しかし、快適なスポーツライフを過ごせるイヤフォンを開発するうえで有線で縛られるというのが嫌で、そういったイヤフォンがないのであれば作ってしまえというところからJaybirdはスタートしたという。

アスリート向けというのが前提にあるため、スポーツシーンで使える製品以外は出さないとのことだ

 ほかのイヤフォンを販売するメーカーとの差別化をはかるために、いい音を届けるというのは大前提ではあるが、軸をそこではなくスポーツに置くことで、アイデンティティーを確立。黄氏は「ほかのオーディオブランドにはスポーツ向けの製品はあるが、手広い分野を手掛けていることがほとんどです。我々は初めからスポーツ向けのみに特化して製品を開発してきました。そもそもほかのブランドとはスタートの理念が異なりますし、スポーツという軸からぶれずに開発を進めてきたのがブランドの強みになっていると思っています」と語る。

Jaybirdが掲げるコンセプトは「Power Your Passion」

 そんなJaybirdが掲げるコンセプトは「Power Your Passion」。目的を持ってスポーツをする人たちの情熱を音楽で後押しするための製品、環境作りを手掛けていきたい。ただ音楽を聴くための製品ではなく、スポーツと音楽をシームレスにつなげて快適なスポーツライフを提供したいという目標が前提にあるのが、自らをスポーツブランドと定義している所以だ。

 そのほか、スポーツブランドとしてアスリートと向き合った研究も実施している。Jaybirdは、スノーリゾートに全世界からナショナルチームが合宿に訪れるため、アスリートがアクセスしやすいユタ州パークシティに本拠地をかまえている。本拠地には「RUN LAB」を設け、いかに風の抵抗をなくすかをはじめ、フィット感や音質、いかにアスリートのパフォーマンスを向上させるか(特に精神面)などを研究している。なお、RUN LABはRedbullに在籍していたDr.Andy Walshe氏が現在管理しているとのことだ。

黄氏は「音楽は目標を達成したいときにプラスに働くものだと思っています。私も昔を振り返れば、部活の試合前など集中したいときは音楽を聴いていました。音楽とスポーツでのパフォーマンス向上の関係については共感してもらえる人も多いと思いますが、もう少し踏み込むための研究も進めています」と語る

スポーツの中でもランニングにフォーカス
特にフィット感を重要視

ランニングにフォーカスした製品開発

 Jaybirdは、スポーツの中でもランニングにフォーカスして製品を開発している。ランニングをする理由は、マラソン選手を目指している人から、健康診断に引っかかったから走らなくてはいけない人まで幅広いから。黄氏は「サッカーやバスケットボールなど様々な競技でランニングは重要な練習です。これをランナーとよぶと、広い意味で世界で一番競技人口が多いのはランナーです。オーディオ市場だけでなくランニング市場にも注力していきたいです」と述べた。

 ランナーのためにとくに重要視しているのが、フィット感。同ブランドが販売する「Jaybird RUN」には、なるべく多くの人の耳にフィットするように様々なサイズのイヤーピースとフィンが付属している。耳は左右で大きさが異なるため、同じ大きさのものではなく、それぞれ一番フィットするものを選択してほしいとのこと。また、個人の耳に合わせて作るカスタムフィットの研究も実施しているという。

Jaybird RUN TRUE WIRELESS SPORT HEADPHONESにはイヤーフィンとイヤーピースが付属する

 また、軽さも重要にしている項目の1つ。黄氏は「よく心拍センサーなどを入れないの? と聞かれますが、その機能のために重くなってしまうのであれば採用しません。もちろん、チップなどが改良されて軽量化に成功したら、そのときは検討します」と語った。

製品を無料で貸し出し、走りながら体感できる

皇居ランでは、1万人以上が走っており、世界でもまれとのこと

 実際にJaybirdが実施しているランナー向けの取り組みとしてあげられたのが、皇居ラン。ランニングコースの周りには、大小含めると20を超えるランニングステーションがある。その中で数ヵ所とコラボし、タオルやシューズのように、無料でJaybirdのイヤフォンを貸し出している。黄氏は「量販店では試す範囲が限られます。実際に走りながら使ってもらって、よかったら購入してもらいたいです」と述べた。

ランニングコースの周辺には、ランニングステーションが多く点在する

Run Pitをはじめ数ヵ所とコラボし、Jaybirdのイヤフォンを無料で貸し出している

 そのほか、マラソン大会の協賛なども実施しているほか、6月24日に開催された「第33回サロマ湖100kmウルトラマラソン」では、チームJaybirdを公募。2週間で約400名の応募があったという。こういった取り組みによって、Jaybirdはランニング業界では段々知られる存在になりつつあるのだという。

「第33回サロマ湖100kmウルトラマラソン」

 スポーツブランドとして活動しているJaybird。ランニングをはじめスポーツをする際に音楽を聴くためのイヤフォンを探しているという人は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

Jaybird所属ランナーの川内 鮮輝氏が登場

自身の活動や第33回サロマ湖100kmウルトラマラソンでのJaybirdの活動などについて語った

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