カメラやマウスは何を使っているの? 配信で使える周辺機についても知りたい!
ゲーム配信はPCさえあれば大抵のことは何とかなってしまうが、実況するとなればマイクも必要だし、顔を映すならカメラも必要だ。実況配信を始めるにあたり、PC以外にも用意しておきたい周辺機器について聞いてみた。
まずはウェブカメラ。使用しているのは両氏ともに「Logicool HD Pro Webcam C920r」というフルHDに対応したモデルだ。上位モデルに「C922 Pro Stream Webcam」というモデルもあり、こちらは付属のソフトを使うことで背景を透過できること、720pだと60fps撮影が可能なことなど大きな違いがある。また、XSplitの3ヶ月プレミアムライセンスが付属しているので、XSplitデビューしたいといった人にはこちらの方がいいだろう。
みみっち氏はC920とC922の両モデルとも使ったことがあるそうだが、実際の環境でC922の背景透過機能を使うと、背景だけでなく顔まで透過してしまうことがあったため、今はC920とXSplitの透過機能を使っているとのこと。問題なく使えている人も多いので、背景の色や距離、明るさなどによっても透過のしやすさは変わってくるようだ。
ちなみに、カメラの位置は下よりも若干上の方がいいとのこと。理由は明確で、下から見上げるようにカメラを設置してしまうと、ゲームに集中しているときの半口開けたポカーンとした顔がさらに間抜けに見えてしまうから。「魂が抜けてる」などと言われた経験のあるみみっち氏からのアドバイスだ。
実況となると、リスナーが聞きやすいという点も重要。配信者としてもこの部分は気を使っているようで、みみっち氏はボーカルエフェクターとXLRコネクター(いわゆるキャノンコネクター)のマイクを組み合わせることで音割れを防いでいるし、クシエル氏もヘッドセットの設定を細かくカスタマイズすることで、音割れ防止やボリューム調整にこだわっている。
「自分が見てて、声が小さいとか大きすぎるのって嫌なんですよ。リスナー側でボリューム調整しなきゃいけないとなると、それだけで見なくなってしまうんです。僕がそういう考えなので、配信するときにも微妙な調整や繰り返して、これだ! という設定を探しました。たまにUSBの挿し直しなどで設定が元に戻ってしまって、リスナーから「何言ってるのかわからない」と指摘いただくこともありますけど」(クシエル氏)
クシエル氏が使用しているヘッドセットは、「Logicool G430」と「Logicool G533」。自身で「ロジクールG教」というだけあって、これ以外にもマウスは「Logicool G703」、キーボードは「Logicool G105」とロジクールGシリーズでそろえられている。
みみっち氏は、配信用PCとゲーム用PCとの音の遅延に悩まされたこともあり、マイクも含めサウンド周りは複雑化している。マイクはXLRコネクターの「SHURE WH20XLR」を使い、これを「Roland VT-3」経由で配信用PCと接続。これとは別に音源として「Sound BlasterX G5」を用意し、2台のPC間での音声伝達やモニターを実現しているとのこと。
2PC配信ではHDMIケーブル1本で映像も音声も送れるハズなのだが、映像は問題なくても、なぜか音声が遅延したり、ノイズがのったりと、そのままでは使い物にならないことが多い。試行錯誤した結果、前述の構成に落ち着いたそうだ。配線や設定といった具体的な方法は、みみっち氏のブログに詳しいのでそちらを参考にしてほしい。
みみっち氏のブログ人気記事
▲機材の紹介から配線、設定方法まで、2PC配信でありがちな音の問題を克服した解説記事。ブログの中でもこの記事だけ異様にアクセス数が多いそうだ。
とくにマイクは、PC用よりもXLRコネクターの製品とボーカルエフェクターの組み合わせがオススメとのこと。価格は高くなってしまうものの音質がかなり良くなり、ノイズや音割れを気にせずにいられるというメリットは大きい。
これから始めるのであればCore i5-8400+GeFore GTX 1060+メモリー16GBを目安に
みみっち氏、クシエル氏ともにサイコムからハイスペック構成のPCが提供されているということもあり、現状の構成でかなり満足しているようだったが、あえて、次のPCを考えた場合に欲しいスペックを聞いてみたところ、両氏ともCPUパワーがもっと高いものを使ってみたいという返答だった。配信設定を盛っていくとどうしてもCPUへの負担が増加していくだけに、CPU性能は高ければ高いほどいいとのこと。
とくにCOMPUTEX TAIPEI 2018で発表された最大28コアの次世代「Intel Core X」、そして32コアとなるAMDの「第2世代 Ryzen Threadripper」には興味津々の様子だ。話を聞きながら、何を言われるのかとドキドキしているサイコムの山田氏が印象的だった。近い将来、両氏の希望がかなえられることを期待しておこう。
もっと現実的な話として、今から配信を始めたいという人が買う配信入門PCとしてどのクラスのものがいいのかを聞いてみたところ、色々な意見がでたものの最終的に、CPUなら「Core i5-8400以上」、グラボは「GeForce GTX 1060以上」、メモリーは「16GB以上」というのがひとつの目安だろうという話にまとまった。もちろんこれは、配信やゲーム側の画質を多少落とすことが前提の場合だ。
もっと配信寄りにするのであれば、CPUに「Ryzen 5 2600X」を採用したPCもありとのこと。コア数はCore i5-8400と同じ6つだが、スレッド数が12になること、そして動作クロックが高めなことから、純粋なCPU性能としてはこちらのほうが上になる。
もちろんこのスペックはあくまで目安で、この性能がなければ配信ができないという話とは違う。この点を何度も力説してくれたのがクシエル氏だ。
「僕なんてスタート時は本当にひどいPC環境でしたし、これよりも下のスペックでも配信はできます。なので、すでにPCを持っている人であれば、まずは手元のPCで試してみてください。やってみなければわからない楽しさがいっぱいありますから」(クシエル氏)
ただしメモリーは8GBだと本当に辛く、動作が重くなるし、ソフトが落ちるし、配信が止まるしとトラブルが多かったそうで、これだけは16GBにした方がいいとのこと。あと、グラボは必須。オンボードではとてもじゃないが3Dゲームは難しい。
興味があるのであれば、まずは手元のPCで配信を始めてみてどういうものかを知ってから、上記目安のスペックのPCを購入するというのがいいだろう。購入した後でCPUパワーがもっと欲しくなれば、自分で換装して強化するという手もある。自作PCやBTOパソコンの場合、こういったアップグレードがしやすいというのもメリットだ。
なお、これから配信を始めようという人へのアドバイスとしては、自分が興味があるものを定期的に配信するというのが、リスナーを増やすコツとのこと。単純に人気のゲームだから、人が多いジャンルだからという理由で始めてしまうと、リスナーに面白さが伝わらないし、何より、自分が楽しくない。ニッチなものでも興味があるものであれば、確実にリスナーは集まってくれるそうだ。
両氏が今後チャレンジしてみたいことはこれだ!
最後に、これから両氏がやってみたいこと、チャレンジしたい方向性などが聞けたので、これを紹介して今回のインタビューのまとめとしたい。
リスナーも企業も巻き込んでTwitchを盛り上げたい
「Twitchはゲームが大前提にあるのですが、ジャンルとしてIRLというゲーム以外もOKなものがあるので、そこで新しいことにチャレンジしたいですね。配信はPCが前提という部分もありますので、みんなが興味をもつ周辺機器の紹介とか、使い方とか、設定方法とか、そういった使ってみないとわからない部分なんかを伝えていければと思っています。あとは、自分が楽しんで配信をするのはもちろんですが、この楽しさを他の人にも伝えて、Twitchを盛り上げていけたら最高です」
実はこの楽しさを伝えて盛り上げるという活動はすでに始めていて、RADの主宰で「PROJECT DISCOVER STREAMER」という、まだスポットライトを浴びていない配信者を発掘するという企画がたびたび開催されている。7月にはこの第7回が開催予定となっているので、気になる人はチェックしてみて欲しい。
新しい形のクリエイティブ活動をやってみたい
「クリエイターとしてもっと盛り上がっていきたい、というのがあります。僕はドラムをやっているので、自分がライブをやっているところをライブ配信するとか面白そうですよね。また最近だとフィンガードラムという、打ち込みの機材を使って手でドラム演奏をするというのがあるのですが、リスナーさんから色々な意見やリクエストをもらいながら、これで即興音楽を作るというのにもチャレンジしたいです。コミュニケーションをとりながらという、新しい形のクリエイティブ活動がやれたらと考えています」
クシエル氏もすでに野外ライブからのライブ配信というのにチャレンジしていて、セッティングから演奏まで、文字通りライブの裏舞台を見ることができる。興味がある人はクシエル氏のアーカイブから視聴してみてほしい。
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今回のRADインタビューに合わせ、サイコムから『RAD×アスキー割』として5000円引きの特別クーポンが提供してもらえた。このクーポンは現在開催中ボーナスキャンペーンと併用可能という太っ腹なものだ。これを機会に配信者デビューしたいという人はもちろん、機材の更新を考えている人にも耳寄りな情報といえるだろう。もちろん、単純にPCが欲しいという人でも使えるので、ぜひ活用して欲しい。
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(提供:サイコム)