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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第278回

PFUがHHKBの最強ライバルを自ら発表!

超高級キーボードREALFORCEのPFU限定版を使い倒してみる

2018年06月19日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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キーがオンになる深さを
ソフト上でカスタマイズできるのがスゴイ

 早速「REALFORCE R2 PFU Limited Edition」をがっつり1週間使い倒してみたので、レビューしてみよう。手元にあるのは日本語配列のブラックモデル。USB接続で、フルNキーロールオーバーに対応。キー数は91で、前出の通りキー加重はオール45gとなっている。昇華印刷でキートップの刻印はかすれてしまうことがないし、静電容量無接点方式を採用しているのでスイッチの寿命は5000万回以上を実現している。サイズは、142×369×30mm、重量は1.1kgだ。ちなみに、HHKB Professional BTのサイズは120×294×40mmと、比較すると一回り大きい。これはファンクションキーの部分と、右側にある特殊キーや矢印キーの部分だ。

 キーボードはずっしりしており、質感も上々。高級キーボードの風格たっぷりだ。ブラックモデルなので、右上の専用LEDプレートは目立たないが、アクセントにはなっている。

 普段は、HHKB Professional BTもしくはHHKB Professional JPを利用しているので、比較するとタイプ音が明らかに静かなのが実感できた。静電容量無接点方式の滑らかなタイプ感にふさわしい、しっとりとした音。人間の耳に付く2500~5000Hzの音を小さくし、耳障りを抑えているのだ。一人で利用する分にはどちらでもいいが、オフィスやコワーキングスペースなど他の人がいるなら、あきらかに静音タイプの方がいいだろう。ブラインドタッチで高速入力する人ならなおさらだ。

「REALFORCE R2 PFU Limited Edition」のブラックモデル

右上にはカーボン調のLEDパネルを搭載

うち味はしっとり滑らかで、音も静か

 キー配列などをカスタマイズするには、東プレのサイトから、専用ソフトをインストールする。何はともあれ、最初に「設定」から「CapsLockとCtrlキー入替」を有効にする。HHKBで慣れきってしまったため、「A」の隣にCtrlキーがないと、効率的に入力できないからだ。

 そのほか「設定」タブではLEDの色を変えられる。7色から選べ、初期設定は赤。ここでは、水色にしてみた。輝度も変えられるので、目立たないようにもできる。「RGB-LED」タブは、ゲーミングキーボードのRGBモデルのみで利用できるので、ここではグレーアウトしている。

 「Key Lock」タブではロックするキーを指定できる。「Lock有効」をオンにして、押しても反応させたくないキーを選択しよう。赤色になれば、無効化されている。筆者はスペースキーの両隣などを無効化している。

東プレのサイトからアプリをインストールする

起動すると、キーボードが認識されている

「設定」から「CapsLockとCtrlキー入替」を有効にする

LEDの色や輝度をカスタマイズできる

「Key Lock」タブではロックするキーを指定できる

 「APC」タブではキーストロークをカスタマイズできる。1.5mm、2.2mm、3.0mmから選べ「一括設定」から全キーをまとめて設定できる。「個別設定」を選べば、キーごとに設定することも可能。

 キーストロークを選んで、キーをクリックすればいい。小指など力のない指で押すキーは1.5mm、親指など力のあるキーで押し込むなら3.0mmに設定するなど、細かい調整が可能だ。

指ごとにキー入力を検知するストロークを設定できる

 さらに、付属のキースペーサーを装着することで、異なる打ち味とさらなる静音性が得られるという。そこで、効果が大きいという3mm厚のスペーサーをセットしてみた。

 キートップは簡単に外れるが、数が多いので手間はかかる。ブラインドタッチができる人でも、外す前のキー配列を写真に撮っておくと、元に戻すのが楽なのでお勧め。メインのキーを外したら、スペーサーを敷いて、キートップを元に戻す。PCにつないだら、設定画面でキーストロークを1.5mmに設定すれば完了だ。

 まずは、タイプ音がさらに静かになったのに驚いた。ここまで静かなら、図書館で使っても問題なさそう。キーピッチが思いっきり浅くなったので、とても違和感があるが、コレは好みの分かれるところ。高速タイピングをする場合、浅い方がいいという人も多い。筆者としては、2mm厚のスペーサーの方が向いているようだった。

付属のリムーバーでキーを外す。交換用のCtrlキーやCapsLockキーも同梱されている

キーを外したらスペーサーを敷く

ストロークを1.5mmに設定する

設定をキーボードに反映させる

 キーボードとしてのクオリティはもちろん、文句なしに最高。キーの押下圧が45gというのも打ち応えがあって、筆者好み。タイプ音は小さく、スペーサーを入れればさらに静かになる。キーストロークをカスタマイズできるのも便利だ。

 10万回くらいタイピングして、慣れてきたところ、ファンクションキーが独立しているのには違和感がなくなってきた。「E/J」キーをEscと間違って押してしまうことが多いが、これも改善されつつある。しかし、単なる好みの問題でEnterキーの右側はやはり不要に感じた。矢印キーを操作するために、手首をがっつり移動させるのは負担が大きい。また、HHKBは外出先で使うために持ち歩いているが、本製品だとちょっと大きすぎる。

 とはいえ、そこまで高速タイプを求められない用途であれば、最高級の使い勝手であることは確か。ユーザーの用途によってはHHKBを勧めて使いにくいと言われることもあるので、選択肢が増えることはウェルカム。PFUリミテッドであれば、HHKBファンとしても勧めやすい。

 文章をたくさん入力するのに、PCの付属品や安価なキーボードでいいや、と思っている人はぜひ量販店などで高級キーボードに触れてみてほしい。そして、高級キーボードの世界へおいでいただきたい。最低で数百円で売っているデバイスが、2万3000円~2万9500円するものの、滅多に壊れるモノではないので趣味のガジェットとしては安い部類。満足すること請け合いだ。

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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