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顧客のDX推進を背景に昨年度は30%成長、2019年度はメインフレーム事業でも「攻め」に転じる

日本CA、新年度も「モダン・ソフトウェア・ファクトリ」拡充

2018年04月23日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本CA(CA Technolgies)は2018年4月19日、この4月からスタートした2019会計年度(FY2019)の国内事業戦略説明会を開催した。企業のデジタルトランスフォーメーションを支える仕組みとして「モダン・ソフトウェア・ファクトリ」を打ち出し好調だった2018年度を受け、2019年度のビジネスの方向性や取り組む施策を、同社 代表取締役 社長の反町浩一郎氏が説明した。

日本CA 代表取締役 社長の反町浩一郎氏。新年度になり就任から3年目を迎えた

昨年度はMSFコンセプトが顧客に受け入れられた「実りの多い一年」

 反町氏はまず、日本CAが20周年の節目を迎えた昨年度(2018年度)のビジネスを振り返り「実りの多い一年だった」と感想を語った。日本法人単体の業績は公表していないが、昨年度は約30%の売上成長を実現し「非常に好調だった」と言う。

 好調な業績の背景には、日本市場において企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みが活発化し、CAのモダン・ソフトウェア・ファクトリ(MSF)コンセプトが徐々に受け入れられてきたことがあるという。MSFは、ソフトウェアの計画/開発/テスト/展開プロセスを工場の生産ラインと同じように標準化/定型化しベストプラクティスを適用することで、ソフトウェア開発や品質改善の迅速性(アジリティ)を高めるというコンセプトだ。CAでは、この一連のプロセスに沿うかたちで多様な製品群をリリースしてきた。

CAの「モダン・ソフトウェア・ファクトリ(MSF)」コンセプト。大量生産を行う工場のように、ソフトウェア開発の仕組みを標準化、定型化して効率とスピードを高め、品質を向上させていくという考え

 反町氏は、CAがアジア太平洋・日本(APJ)地域の中規模~大規模企業を対象に行った、DXの影響および準備に関する調査結果を示した。この調査は2017年後半に実施されたもので、従業員250名以上の企業に所属する経営者/ITリーダー900名が回答した(日本の回答者は約100名)。

 調査結果を見ると、まずDXの影響が幅広い企業に浸透していることがわかる。「自社の属する業界がDXの影響を受けている」とした回答は69%、また「自身の業務がDXの影響を受けている」とする回答は55%だった。「2年前の調査ではこれが2、3割程度だったことを考えると、大きく浸透している」(反町氏)。

 ただし、DXに向けた実際の取り組みはまだ初期段階にあることもわかっている。会社としての明確な目標を持ってDXプロジェクトを開始したとする回答は50%、DXへの取り組み体制を完全に整えているとする回答は9%にとどまっている。

 こうしたDX推進の遅れの原因、ボトルネックになっているのが「ITを管理する能力の低さ」だと、反町氏は指摘する。DXのために必須となるテクノロジーのロードマップと役割の明示、次世代コンピューティングリソースを従業員に提供するためのリソース配備、適切なポリシーとテクノロジーの設定、いずれも10%強の企業でしか実現していない。そもそもIT人材、ITスキルの不足は、DXの動きにかかわらず指摘されていることだ。

企業ビジネス/ITリーダーに対するDX調査結果。DXの影響は浸透しているが、取り組みはまだ初期段階にある

 幅広い業界でのDXの浸透とITの置かれた現実、その「ギャップ」を埋めるのがMSFだと、反町氏は説明する。前述のとおりソフトウェア開発やテスト、展開のプロセスを標準化するMSFのコンセプトによって、属人的なITスキルに頼ることなく、迅速かつ効率的にソフトウェア開発が進む。フィードバックと改善のサイクルが早まれば、そのぶん品質の向上も期待できる。そういう考え方だ。

 さらに反町氏は、そこでは「アジャイル開発」「DevOps」「マイクロサービス(API/セキュリティ)」という3つの要素が重要であると説明する。2018年度、CAではこれら3要素を実現するために「MSFの全域に投資してきた」(反町氏)。アジャイル開発向けのプロジェクトマネジメント製品「CA Agile Central」や特権アクセス管理製品「CA PAM」、Webアプリケーションのテスト製品「CA BlazeMeter」といった新製品群をリリースしてMSFのポートフォリオを拡充している。これらの製品ではすでに国内事例も獲得している。

昨年リリースした3製品と国内導入事例

 このMSFの拡大が大きく寄与して、対前年比30%の売上成長が実現した。また、MSFのコンセプトに賛同するパートナーも拡大しており、パートナービジネスでは50%成長となったと述べた。「MSFへの賛同をいただける顧客やパートナーが増え、いいかたちで行けていると考えている」(反町氏)。

2019年度も顧客企業のDX推進をサポートする施策を継続、強化へ

 好調だった前年度を受け、その流れを継続、さらに拡大していくというのが2019年度の日本CAの戦略だ。反町氏は特に、顧客のDX推進を支援する目的で「最先端テクノロジーの普及/啓蒙」「さらなるソリューション拡充」「メインフレームビジネスへの積極投資」という3つのフォーカスエリアを挙げた。

CAが今年度フォーカスする3つのエリア

 「最先端テクノロジーの普及/啓蒙」においては、「APIアカデミー」や「Agileアカデミー」「DevOpsシミュレーション」といったプログラムやセミナーの提供を通じて、そうした“考え方”そのものを日本企業に普及させていく方針だとした。プログラムによっては、現場エンジニアやIT部門ではなく企業経営層を対象としたものもある。

 「たとえばアジャイル開発ひとつを取ってみても、ツールを入れればそれで成功、とはならない。その考え方や組織体系まで企業に入っていかないと成功しない。特にエンタープライズスケールで取り組む場合はそうだ」「CAのビジネス、営業活動としてだけではなく、取り組んでいきたい」(反町氏)

企業のDX推進に必要なテクノロジーの普及/啓蒙活動を行う

 次の「ソリューション拡充」については、「DevSecOps」を支援する新技術として買収した「VERACODE(ベラコード)」のアプリケーション脆弱性診断サービスを今年度中にローンチする。それに加えて、既存ソフトウェア製品群のクラウドサービス化(SaaS化)も進める方針だという。

 最後の「メインフレームビジネスへの積極投資」について反町氏は、世界のミッションクリティカルなデータの70%がメインフレームに存在していること、世界メインフレーム市場の年平均成長率予測(2017~2021年)が「2.58%増」と拡大基調であることなどを示すデータに基づいて、メインフレームビジネスに注力する理由を説明した。

 「金融や製造といった業界では一部にメインフレームが使われている。そこには、やはりオープンにならない(オープン系システムに移行できない)理由があって、その棲み分けは完了していると考える」(反町氏)

メインフレーム市場に関する最新データ。メインフレームの価値が見直されている

 ここでは2つの新たなソリューションが紹介された。メインフレームのキャパシティ管理/活用を改善、自動化してコスト削減とSLA管理向上を図る「Dynamic Capacity Intelligence」、メインフレーム上のアプリケーション/データをセキュアに管理する「Data Content Discovery」だ。

 反町氏は、同社のメインフレームビジネスはここ数年は下げ止まり、横ばいの状況となっているが、こうした新ソリューションの提案によって、既存顧客の「継続」ビジネスから新規顧客の「拡大」へと転じられるようにしたいと語った。この4月には、そうした新規提案を行う組織も新たに立ち上げたという。

 「2018年度はモダン・ソフトウェア・ファクトリを標榜して活動を行い、DXの初期にあたる顧客から賛同いただけた。2019年度も方向性は変えず、拡大していく。ただ、そのうえではもう少し視野を広げて取り組みたい」(反町氏)

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