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「ネットカルチャー教室」ただいま開講中第8回

映像は脳内補完できても音は難しい

コンテンツの中身よりも「音」 動画やライブ配信で最も重要なこと

2018年03月20日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda) 編集●ちゅーやん

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 YouTubeへ動画を投稿する上で、もっとも大事なのは「音が明瞭で、適切な音量であること」。これは、動画だけでなくライブ配信をする上でも共通して言えます。動画の内容だけに気を取られて軽視してしまいがちの「音」のバランスはとても大事です。

 ところで、こんな経験ないでしょうか?

 テレビを見ているとき、番組からCMへ切り替わった途端、音がいきなり大きく鳴って慌ててボリュームを下げたことはありませんか?

 これは、いまの子どもたちより大人のほうが「(そういうことが)あった、あった」と返事が返ってくるかもしれません(今は改善がなされているのですが、当時、テレビ放送がアナログからデジタルへ変わった頃に顕著となり、一時期、問題となった現象です)。

 もう少し身近な例を挙げると、スマートフォンに入ったお気に入りの音楽を続けて聴いていると、曲が変わるたびにボリュームを調整するという経験をした人もいるかもしれません。

 つまり、普段私たちが耳にする「音」は、音量がバラバラだったり、全体の音量が大きすぎたりすると耳障り(不快)に感じることが多いのです。

 動画を投稿したりライブ配信したりするクリエイター(作り手)は、いつも「音」に注意しています。人気YouTuberたちのように完璧とはいかずとも、私たちも音のことを念頭においておくだけで、動画やライブ配信のクオリティーがさらに向上するはずです。

映像は補完できるけど、音声は頭のなかでは補完できない

 YouTubeなどに動画投稿するときだけでなく、友だちなどへ向けた動画をLINEで送るときにも同じことが言えます。スマホで撮影した動画を見直してみると、「撮った(対象となる)人の声があまり聴こえてなくて周りの環境音のほうが大きかった」とか「二人並んで喋った声がひとりは小さくてもうひとりは大きかった」なんてこともあるはずです。

 スマホ(のスピーカー)だけで再生しているときには気がつきにくいですが、ヘッドフォンを挿して視聴してみると音が明瞭で適切な音量なのか否かが気になります。

 実は、撮った映像が少しブレていたり、アングル(構図)が不自然だったり、画面に映っているヒトの顔が暗かったりしても、私たちは頭のなかで足りない映像の情報を補完することができます。なんとなくその映像の状況を頭のなかで想像ができるのです。

 しかし、音声だけはどうしても頭のなかで補完することはできません。

 映像がどんなにステキだったとしても、コンテンツの内容がどんなに面白いものだったとしても、再生した動画の音声が不明瞭でバランスが取れていないと質のいい動画にはなりません。それが結果的に、動画やライブ配信を見ることをやめてしまうことにつながってしまいます。

スマホの場合はイヤホンマイクが役に立つ

 音の重要性を念頭におき、改めてクリエイターの動画やライブ配信を見ていると、いろいろな気づきがあるはずです。

 クリエイターの人たちそれぞれで、撮影をするシーンに応じて、集音をするときの工夫をしています。例えば、編集を前提とした動画やライブ配信の場合は、オーディオミキサーやハンドマイク、ガンマイクなどを用いて集音をしていたりすることもあります。さらに言えば、動画を編集する時に音声編集ソフトなどを用いて整音することあります。

 整音とは、収録した音を整えて聴きやすくなるように加工することを指します。具体的には、空調のノイズや周辺の環境音を軽減させたり、複数のマイクの特性の違いによる音質を整合したり、音量のバラつきを均一化したりする作業です。

 ただ、私たちがスマートフォンで撮影する場合は、オーディオミキサーやハンドマイクを用いて集音することはなかなか難しいですよね。こうした機器を使うことによって高い品質の動画を作ることは可能ですが、スマホ一台で撮影から配信までできるという手軽さを失います。さらに手軽さだけでなく、音声編集ソフトなどを用いての整音はソフトの操作方法を習得しなければならなかったり、そもそもソフトの扱うためにパソコンを別途用意したりするのも一苦労。

 つまり、一番理想的なのは、編集時に整音が必要とならないよう、音が明瞭かつ適切な音量で撮影すること。

 例えば、スマートフォン単体で動画を撮ったりライブ配信をするのではなく、量販店などで販売されているスマートフォン用の比較的安価なマイクアクセサリーを手に入れるのもひとつの手段です。マイクアクセサリーを使う程度なら購入するという手間はあるものの、実際に撮影をしたり編集したりするときは問題ないはず。

 とはえい、こうした「スマートフォン用のマイクアクセサリーを買うのさえも大変!」という人であるならば、まずはスマートフォンを買ったときについてくるマイク付きのイヤホンを使ってみることがオススメ。付属していたイヤホンマイクを無くしてしまったならば、100円ショップなどでもスマートフォンで使えるイヤホンマイクがあります。

 実は、イヤホンマイクごとに音の品質が異なります。いろんなアクセサリーを試して、買いやすくて音の品質が良く聞こえるものを探してみると新しい発見がきっとあるはずです。

 動画を作ったり、ライブ配信をしたりするならば、まずは「映像より音」に気をかけてみる。それだけでも、見てくれた人たちの反応が視聴数、最後まで視聴してもらえるかの評価(反応)へもつながっていくのです。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

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