このページの本文へ

ウィザードによるワークフロー作成やリアルタイムなトラッキングも可能

ワークフローを現場駆動に変える「Box Relay」が日本でも提供開始

2017年12月21日 11時30分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders 写真●曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

12月21日、Box JapanはBox内で定型的なワークフローを作成・管理できる「Box Relay」の国内提供を開始した。Boxをベースにユーザー部門が主体的にワークフローを作成・運用できる新機能の概要について、Box Japan パートナー&テクノロジーSE部 部長 石川学氏に聞いた。

ポイント&クリックでワークフローが作れるBox Relay

 企業向けのクラウドストレージとして高いシェアを誇るBoxだが、最近はクラウドコンテンツマネジメントという分野に軸足を移し、ドキュメントをベースにしたコラボレーション機能を強化している。こうした強化の一貫として追加されるBox Relayは、Box上で利用可能なワークフローを容易に作成・管理できるアドインツール。ワークフロー分野で高い知見を持つIBMとの共同開発で実現されたものだ。

 BoxのGUIに追加される専用のBox Relayのコンソールでは、ユーザーや管理者として割り振られたタスクやワークフローの進捗管理を行なったり、既存のワークフローを使い回せるテンプレートが用意されている。カスタムワークフローもウィザードから簡単に作成できるほか、進捗状況のリアルタイムなトラッキングや期限切れなどを通知するメール通知、作業の透明性を高める監査証跡などの機能を持っており、プロジェクト管理にかかる時間を短縮するという。

ワークフロー管理を容易にするBox Relayの画面

 最大の特徴はやはりワークフローがコンテンツのストック場所であるBoxと統合されている点だ。Box Japan パートナー&テクノロジーSE部 部長 石川学氏は、「従来はワークフローが独立で存在し、連携がメールや他のツールだったが、Box Relayではコンテンツとワークフローを一体化したプラットフォームで提供できる。すべてがBox上にあるので、今までのセキュアな利用環境を阻害しない」と語る。監査やアクセス権限、データ保護などのBoxのセキュリティ機能もフル活用できるほか、Office 365やSalesforce、Adobeなどのクラウドサービスとも統合されるという。

ワークフロー管理におけるIT部門とユーザー部門の意識の違い

 現状、多くのエンタープライズユーザーは、ワークフローに適切なツールを用いていないため、定型処理に多くの時間を費やしているという。こうした中、従来IT部門が取り仕切ることが多かったワークフローを、現場のユーザーがどのようにコントロールするかは今後大きな課題だ。「IT部門を前提としたSharePointやOpenTextは管理が大変で、現場のユーザーにとってハードルが高い。とはいえ、現場のユーザーが使い始めると、メールやプレットシートが乱立することになる」と石川氏は指摘する。

Box Japan パートナー&テクノロジーSE部 部長 石川学氏

 これに対してBox Relayは現場のユーザーがIT部門に依存することなく、ワークフローを作成・管理できる点が大きい。一方で、IT部門としてもセキュアで、統制の効いたBoxのプラットフォームを使って、ワークフローをユーザー部門任せられるというメリットがある。今まで見えにくかったプロジェクトの進捗を見える化しつつ、働き方改革の障害になる時間のかかる定型業務を減らしていくのがBox Relayの狙いだ。「特定の業界にフォーカスしているわけではなく、幅広い業種・業態で利用できる。すべてのお客様にご利用いただける」(石川氏)。

 Box RelayはBusiness Plus版とそれ以上のパッケージで利用可能で、全体導入と部分導入が選択できるという(部分導入はBox側の承認が必要)。今後は、Boxで発生するイベントに応じてワークフローを自動的に起動する機能や、社内プロセスと統合しやすくするAPIの容易、電子署名、複数のワークフローの同時管理などの機能が追加される予定となっている。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ