このページの本文へ

今年は松山!JAWS FESTA 2017レポート 第3回

コミュニティが教えてくれること、松山の中心でぼっちが叫ぶ

松山の参加者3人は東京の600人!Agile459懸田さんが叫ぶ

2017年11月14日 11時00分更新

文● 青木由佳(JAWS-UG広報)、写真●平野文雄(JAWS-UG大分)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2017年11月4日、四国は松山で、「JAWS FESTA 中四国 2017 in 愛媛松山」が開催された。JAWS-UG広報の青木由佳さんが、ぼっちこそ大きな可能性を秘めていると参加者に勇気を与えた友岡賢二さんの基調講演とAgile459の懸田剛さんのセッションをレポートする。

会場全体がしびれた基調講演、さながら講義の”武闘派”CIO友岡さん

 JAWS FESTAは2013年に大阪で開催されたのを皮切りに、毎年地方都市で行なわれているコミュニティイベントだ。事前申し込み176名という大イベントであるが、主催はJAWS-UGコミュニティメンバー、つまり有志で行なわれているのである。東京や大阪など各地から遠征して参加する方や登壇者もおり、企業スポンサーも募っている、大型の勉強会である。

 四国エリアのJAWS-UGといえば、「JAWS-UGクラウドお遍路」というイベントがある。これは毎年四国エリアで開催されており、筆者も徳島で行われた際に参加したことがある。今回はこれをJAWS FESTAに置き換えた形で開催された。四国の運営メンバーの結束力が少し形を変えて具体化した格好である。

 さて、基調講演はフジテック 常務執行役員 情報システム部長の友岡 賢二さん。JAWS-UGのさまざまなイベントに登壇や参加をされている友岡さんだが、CIOという今の立場に至るまでの道は平坦ではなく、もともとはマーケターを目指していたというから驚きである。当時の会社で何度も異動を求めたというほど、それは強い思いであったが叶わず、与えられた場所で考え抜き行動し、今ではCIOは天職と語る。当初の夢とは違うが、そんな熱いメッセージを参加者に投げかけた。

フジテック株式会社 常務執行役員 情報システム部長の友岡 賢二さん。

 袖触れ合うも他生の縁。今いる業界の中での強いつながりから抜け出し、新しい世界の弱いつながりをどんどん作っていくことの大切さ。JAWS-UGのようなコミュニティに参加することもその一つであると力説した。コミュニティが開催する勉強会には、有給を取って一人ぼっちで参加している、そんな人も多い。筆者も最初は同じだった。当時は懇親会にも参加せず興味があるのに逃げるように帰ったのだった。しかし勇気を持って訪れたそんな行動はまさに既存のつながりから出て、「弱いつながり」を作っていくきっかけなのである。友岡さんは「ぼっち最高!」とエールを送った。

 講演後、友岡さんにお話を伺った。今回の講演にあたり、「オーディエンスが聞きたい話は何だろう?ということに焦点を当てて内容を考えた」とのこと。それがまさに参加者に向けた「ぼっち最高!」というメッセージだった。また、キャリアに関する部分については社内で自ら行っている社員向け研修をベースに講演内容を組み立てていったという。

 講演では自身が読んで感銘を受けた書籍にも触れていたが「時間がなくて本が読めない」と言う人について「本を読まないから時間がないんだと思う」と一蹴。先人の知見を得ることができる本はとても有益であるとし、ほとんどの悩みは人類の誰かが経験しているはず、と語った。そしてJAWS FESTAについては「JAWS FESTAの良さを説明したいと思った。地方に行って、新しい出会いができる。素晴らしい」と友岡さんは語る。「ぼっち参加している人を励ましたかった」と振り返るその眼差しは温かかった。

Agile459の今 地方コミュ二ティのあるある話

 多くのセッションの中でこれは絶対に取り上げたい、と筆者が思ったセッションがAgile459(アジャイル四国)懸田剛さんの「地方コミュニティが直面する課題と未来のビジョンとは?」である。地方と東京などの首都圏では、コミュニティが抱える課題や意識に差が出る。人数の差、情報の量や伝わる速度の差。これは筆者も関西から東京に出てきた身として、痛いほど感じている部分でもある。

Agile459(アジャイル四国)懸田剛さん

 Agile459はその名の通り、四国でアジャイルを学び日々の開発に活かすことを目的に活動しているコミュニティである。このJAWS FESTAが開催された松山でも開催されている。

 コミュニティ活動経験が長く、知見が深い懸田さんはコミュニティのタイプを4つに分類した。発起人が立ち上げ人を募り行われる「有志(草の根)」、企業がビジネスとしてコミュニティを立ち上げたり支援したりする「企業サポート」、この行政版である「行政サポート」、コミュニティを支援する組織が手伝う「支援団体サポート」である。コミュニティと聞くと「有志」タイプを想像しがちだが、実はこれだけのタイプがある。「企業サポート」についてはJAWS-UGの立ち上げを行った小島英揮氏の存在が大きく影響していると言えるだろう。

 懸田さんは自らの経験を元に、運営が抱える課題への解決策や考え方のヒントを説いた。たとえば、コミュニティに「おじさん」が毎度来て若者は都会へと出ていってしまう現状について、「いつでも若い人が帰ってくる土壌を耕すことが大切」と語り、Uターンなどで戻って来る若者の存在を意識する大切さを説明した。また、勉強会も回が進むにつれニッチな内容になることがあるが「ディープにいきつつ、門戸を開く」という心構えの大切さを語り、ディープに掘り下げたくなるエンジニアの気持ちに配慮した。

 また、会を継続していくことの大切さや少しでも運営をチーム化することなど、運営経験者が抱える問題にどんどんとメスを入れていった。そして、多くの地方都市が思い悩むであろう「なかなか勉強会に人が集まりにくい」という問題については「松山での参加者3人は、東京の600人!」と叫び会場を湧かせた。また、Agile459が取り組む「オンライン読書会」にも触れ、リモートでもできることがあり、また今後は場所を超えたコミュニティが増えていくと予測した。

 地方ごと、コミュニティごと、それぞれ悩みや課題はあるだろう。悶々としている運営の方も、読者の中にいらっしゃるかもしれない。しかし共通点やヒントは、友岡さんが基調講演でも語ったように先人が持っている。ぜひ運営同士も、新しい世界に飛び込み、別のコミュニティ運営に話しかけてみるといいだろう。実際、それを実践している運営の方も多い。JAWS FESTAのノベルティである手ぬぐいを頭に巻き登壇した懸田さん。最後は「楽しくなきゃ続かない」と運営自らが、そして参加者自身も楽しむことこそがコミュニティの原動力になると締めくくった。Agile459の挑戦は今後も続いていく。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事