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JAWS-UG東北の立花拓也が見た「AWS CommunityDay 2018」

急成長するアジアのAWSユーザーグループがベトナムに大集合

2018年10月09日 07時00分更新

文● 立花拓也(ヘプタゴン) 写真●赤塚誠二(デジタルキューブ)、伊藤博美(ウフル)

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 9月16日、17日にベトナムのホーチミンで開催されたAWSのコミュニティイベント「APAC Community Leaders Meetup」および「Vietnam AWS Community Day」の模様をJAWS-UG東北の立花拓也(ヘプタゴン)がレポートする。昨年の韓国での開催に引き続き2回目となるこのイベントはアジア圏のAWSユーザーグループが一堂に集結して開催され、今年は日本、韓国、インド、ベトナム、フィリピン、タイ、シンガポールの合計7カ国から約30名のリーダーたちがこのイベントに参加した。

LT終了後は、スコール直後で濁流と化したメコン川でのアクティビティで親睦を深めた

ユーザーグループの今と未来を語り合ったAPAC Community Leaders Meetup

 1日目のLeaders Meetupでは、各国持ち回りのLT形式でそれぞれのユーザーグループの現状や課題を共有し合った。

 どのユーザーグループもものすごいスピードで参加人数が増えコミュニティが成長してきているようだ。ここ1年でのFBページのフォロワー数の推移を見るとタイが3000人から5000人、ベトナムは1000人から2500人と増えており、特に東南アジアでのAWS、そしてユーザーグループへ関心が非常に高まっているのがよくわかる。

 ユーザーグループの成長の過程で、ミートアップの参加率が悪くなったり、運営を手伝ってくれる人や登壇してくれる人がなかなか見つからなかったりなど日本のコミュニティでもよく聞くような課題も出てきたようだが、オンラインでの活動をより充実させたり、大学生を巻き込んだり、イベント告知の仕方を変えてみたりと各国の事情に合わせて様々な工夫がなされていた。

集客の厳しい地方コミュニティを運営するコツを伝授する影浦さん

 日本からは、JAWS-UG東北の赤塚さんが「世界と繋がるAWSユーザーグループ」、JAWS-UG愛媛の影浦さんが「地方でのコミュニティ運営」、そしてクラウド女子会から小深田さんが「コミュニティで人生が変わった話」とまさに近年のJAWS-UGを凝縮したような内容の発表が行なわれた。日本以外のアジア圏のユーザーグループは都市圏中心の活動がメインとなっているので、これだけ多くの地方/専門支部があるJAWS-UGはどうやって運営がされているのかというの質問をイベント期間中に海外のリーダーたちから聞かれることが多かった。

 夕食の後宿泊先のゲストルームに戻ってからも大部屋に集合して夜遅くまでユーザーグループの運営についてのディスカッションが行なわれた。中でも一番の盛り上がりを見せたのが、もっとたくさんの女性にユーザーグループに参加してほしいと切り出した関西女子会の伊藤さんの話だ。お菓子を用意したり、リラックスした雰囲気の場所で開催したり、ハンズオン時には質問を事前に受け付けるなど女子会ならではの工夫している点を共有すると、最近女子グループが発足したフィリピンチームや各国の男性陣からも女性の参加を促進するための多くのアイディアが出された。最終的には1年以内にアジア圏合同での女子会イベントを開催する運びとなった。

伊藤さんによる女子会運営のノウハウに真剣に聞き入る各国のオーガナイザーたち

アジア各国の代表が登壇したVietnam AWS Community Dayは大盛況

 2日目のVietnam AWS Community Dayは、現地の方々にも一般開放され、全セッションが英語でのセッションに関わらず合計200人ほどが参加した。

 キーノートには、Amazon.com CTOのワーナー・ボーガス博士が登場した。講演の冒頭でワーナーは「機械学習はクラウドにおけるルネッサンス」だと切り出した。オンラインゲームやスポーツ、医療やバイオなどさまざまな分野での機械学習を活用した事例を紹介し、多くの産業、企業において機械学習が新しい価値を生み出していると話した。また、「機械学習はすべてのデベロッパーの手の中にある」とし、SageMaker、ComprehendやTranscribeなどのAI系サービス、DeepLendsなど機械学習関連のサービスについての使い方を解説した。

“Machine Learning is experiencing a renaissance in the cloud”

  続いて登壇したのは、地元ベトナムからKien Nguyenさん。動画関連のサービス群であるAWS Elemental MediaPackageについて説明した。最近ではスマホなどでも簡単に動画を取ることができ、さまざまなデバイスで動画を再生することができるようになった。それに比べ、動画を配信するにはエンコーディングや配信環境の整備、コンテンツの保護、広告の管理など複雑で手間のかかる作業が必要だったが、それらを簡単に行なえるのがAWS Elemental MediaPackageだ。MediaPackage機能を説明しつつ、最後には動画配信のデモを披露。JAWS-UGの勉強会ではあまり取り上げられることが少ないテーマだったので、日本勢も真剣に耳を傾けていた。

ベトナムの会社でCloud Solution Architectとして働くKien Nguyenさん

 韓国のユーザーグループ(AWS KRUG)からの発表は、大学生のHyun Joong Kimさん。韓国では、AWSとKRUGが協力して、AWSに興味のある学生を集めて長期的にAWSの教育を行なうAUSGというグループがあり、彼はその2期生とのこと。AUSGで学んだことを生かし、インターン先でビッグデータのプロジェクトに携わった経験を話してくれた。大学生がコミュニティを通じて最新の技術を学び、それを生かし、さらに海外で発表までするのは、誰にでもチャンスが与えられるコミュニティの醍醐味だと感じた。

流暢な英語で発表する韓国の次世代のロックスターHyun Joong Kimさん

 続いては、フィリピンからNeil Alwin Hermosillaさんが登壇し、「BC/AD = Before Cloud / AWS Deployments」と会場を沸かせたのちにAWS時代におけるネットワーク設計の注意点について語った。「オフィスからのAWSヘの接続はAWS上の冗長化された踏み台ネットワークを経由することでセキュリティを高める」「マルチリージョン/マルチアカウント環境の場合にリージョン名などを含めたわかりやすい命名規則を設ける」「サービスごと/ロールごとにユーザー権限をしっかりと分ける」など、実用的な話題を聞くことができた。

「BC/AD = Before Cloud / AWS Deployments」にはこの日一番の歓声が上がった

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