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好調なSolidFireがオールフラッシュ分野の成長を牽引

ネットアップが新年度戦略を披露 NetApp HCIも今秋投入へ

2017年06月30日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月29日、ネットアップは2018年度の事業戦略発表会を行なった。マルチクラウドとオンプレミスでのデータの統合管理を実現する「データファブリック」の戦略を堅持するとともに、6月5日に米国で発表されたハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「NetApp HCI」についても披露された。

ハード、ソフトの時代からデータ中心の世界へ

 事業戦略発表会に登壇したネットアップ専務執行役員の中山泰宏氏は、変化の激しいビジネス環境におけるデジタルトランスフォーメーションの重要性を強調。IT業界においても、「2000年台はハードウェアの進化、2010年からは仮想化を筆頭とするソフトウェアで大きな変化がもたらされてきた。しかし、これからはデータによって変化をもたらされ、重要な決定が行なわれることになるだろう」と、データの価値が相対的に上がっているとアピールした。

ネットアップ専務執行役員の中山泰宏氏

 こうした流れに対応し、同社は3年前から「データファブリック」を掲げ、データを中心にマルチクラウドやオンプレミスを統合するコンセプトを描いてきた。「クラウドとの連携がないと、データがサイロ化し、持ち腐れになる」(中山氏)とのことで、適材適所にデータを配置し、「可視化と洞察」「アクセスと制御」「保護とセキュリティ」などを提供。統合管理できる技術開発と製品ポートフォリオを強化してきた。

 ネットアップとしては、このデータファブリックの戦略を堅持しつつ、日本法人での2018年度のビジョンとして「ハイブリッドクラウド環境下において、デジタルトランスフォーメーションを支援できるTrusted Data Management Companyになる」を掲げる。その上で、中核となる市場をストレージからデータ管理にシフトしつつ、ソフトウェア・サービスを中心に据える。さらにサブスクリプション型の従量制やオープンプラットフォームへの対応も積極的に進めるという。

データファブリックを中心に多様な提供形態を実現

 長らくストレージOS「DataONTAP」をベースにしたハードウェアアプライアンスに注力してきたネットアップだが、この10年で同社は企業・事業買収を進め、製品ポートフォリオを大幅に拡充しつつある。具体的にはONTAPベースのユニファイドストレージであるFASやオールフラッシュ版のAFFを中心に、オブジェクトストレージのSGシリーズ、クラウドストレージゲートウェイのAVAシリーズ、SANストレージのE/EFシリーズ、オールフラッシュアレイのSolidFireシリーズなど大きく5種類のプロダクトを取りそろえている。

ネットアップのプロダクトポートフォリオ

 データファブリックの戦略の元、現在これらの製品はIn a Box(ハードウェアアプライアンス)、As Software(ソフトウェア)、On The Cloud(クラウド上のマシンイメージ)という3つの形態で提供されるようになっている。

 その上で、現在では異なるプロダクト、マルチクラウド、ハイブリッドクラウドでの相互連携などを進め、データの可搬性やバックアップを強化している段階。先日リリースされたONTAPの最新版では、AWSを含めたデータ階層化管理を実現する「FablicPool」がサポートされたほか、今年の後半にはOffice 365の外部バックアップ機能などを提供する。

 このうち特に注力しているのが、高い成長を続けるオールフラッシュアレイの分野だ。オールフラッシュアレイに関しては、2017年度第1四半期で売上額の実績でシェアNo.1(IDC調べ)となり、きわめて好調。この背景としては「16TBのSSD採用により1PBが4Uで実現できること」「大容量ドライブやNVMeなど技術革新」「SAN市場での躍進」などを挙げられるという。そして、この好調ぶりを牽引するのが、2年前の自社OSの開発中止とほぼ同時に買収したSolidFire製品になる。

 「次世代データセンターのためのオールフラッシュストレージプラットフォーム」を謳うSolidFireは汎用サーバーに独自OS(ELEMENT OS)を載せることでSDS(Software-Defined Storage)を実現したオールフラッシュアレイ。4台を1ノードとして、RAIDに依存しないディスクプールを構築し、データ配置や性能のコントロールを自動で行なえる。また、3レベルのQoSを保障でき、プロビジョニングもきわめて容易だという。

 国内でのSolidFireの導入事例として、「GMOクラウドALTUS」での採用事例も紹介された。オールフラッシュアレイとしての性能はもちろん、性能と容量のスケールアウトにより、利用状況に柔軟に対応できる点が評価されたという。

GMOクラウドALTUSでのSolidFireの採用事例

柔軟な拡張が可能なNetApp HCIは今秋に投入へ

 また、FlexPodのブランドで提供されているコンバージドインフラとしては、リモート・ブランチオフィスや中小規模向けの「FlexPod Express」やエンタープライズアプリケーションやインフラ統合、仮想化環境を前提とした「FlexPod DataCenter」、ビッグデータやアナリティクス向けの「FlexPod Select」などを揃える。加えて、6月にはコンピュート、ストレージ、ネットワークまで全ハードウェアをシスコ製品で揃えた「FlexPod SF」も新たに発表されている。

FlexPodのコンバージドインフラ製品のラインナップ

 さらにハイパーコンバージドインフラに関しては、6月5日に発表されたNetApp HCIが紹介された。SolidFireのELEMENT OSをベースにしたNetApp HCIは同社初のHCI製品で、、最小構成2U・4ノードのシャーシにストレージ部分を担うオールフラッシュノードとハイパーバイザーを担うコンピューティングノードで構成。ニーズにあわせてストレージとコンピューティングをそれぞれ個別拡張することが可能になっており、既存のHCIに比べて柔軟な拡張ができるという。

NetApp HCIの内部構造

 また、ELEMENT OSの特性を活かし、パフォーマンス保障を実現。さらにHCIということで、30分で運用開始でき、400以上の入力項目も30未満になっているという。当初は、VMware ESXに対応し、今後はOpenStackやDockerなどに対応していく計画。データファブリック戦略を担うHCIということで、ファイルサービスやオブジェクトストア、バックアップ&リストアなど他製品やクラウドサービスとの連携も実現していくという。NetApp HCIの受注開始は2017年10月下旬を予定している。

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