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「Cisco Spark」サービスやデバイスをKDDIが販売、クラウドPBX&公衆網接続も

中堅中小企業も“会議改革”を、KDDIとシスコがコラボ製品で協業

2017年04月14日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 KDDIとシスコシステムズは4月13日、ビジネスコミュニケーション機能を統合したクラウドサービス「Cisco Spark」の販売提供に関する協業を発表した。SparkシリーズのクラウドサービスやタッチパネルデバイスをKDDIが販売するほか、両社の音声基盤を連携させ、固定電話番号でクラウドPBXや音声会議が利用できるコミュニケーション環境を実現する。

発表会に出席したKDDI 取締役 執行役員常務 ソリューション事業本部長の東海林崇氏、シスコシステムズ 代表執行役員社長の鈴木みゆき氏
発表会では、ビデオ会議/電子ホワイトボード/無線プロジェクター機能を統合した大型タッチパネルデバイス「Cisco Spark Board」もお披露目された

「働き方改革はまず“会議改革”から始めるべき」

 Cisco Sparkは、シスコが2015年から提供しているビジネスコミュニケーションプラットフォーム。ビデオ会議、VoIP内線通話、メッセージングなどのコミュニケーション機能をクラウドサービスとして提供しており、PC/Macやタブレット、スマートフォンを通じて会議やチャットに参加できる。

 また今年1月には、Sparkに対応した会議室設置用のオールインワンデバイス「Cisco Spark Board」も発表している。Spark Boardは大型のタッチパネル(55インチ、70インチ)に4Kカメラやマイク、スピーカー、無線LAN機能などを内蔵しており、インターネットに接続するだけで、ビデオ会議/無線プロジェクター/電子ホワイトボードといった機能がシンプルに利用開始できる製品だ。

Spark Boardのデモ。ビデオ会議時の話者クローズアップ、複数人が指先やペンで同時に書き込める電子ホワイトボード、PC/Mac画面の無線での投影といった機能を備える。電子ホワイトボードに書き込まれた内容は自動保存される
モバイル版Sparkアプリ。会議参加者への通知(左)、Spark Boardとのペアリング(中)、記録されたホワイトボードの内容(右)

 今回の発表会では、Cisco Spark Boardが国内初披露されたのに加えて、既設の大型ディスプレイに接続するだけでSpark対応のビデオ会議システムが構成できる「Cisco Spark Room Kit」「Cisco Spark Room Kit Plus」も発表された。

 発表会に出席したシスコシステムズ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業担当のアーウィン・マッティー氏は、シスコのコラボレーション事業では3年半ほど前から方針転換を図り、クラウドファーストで簡単かつ迅速に導入できること、コンシューマー製品に負けない最高のユーザーエクスペリエンスを提供できること、といった戦略を推進してきたと語る。

「Cisco Spark Room Kit」。カメラ/マイク/スピーカー内蔵で、室内の話者を自動認識/クローズアップする機能も備えるシスコシステムズ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業担当のアーウィン・マッティー氏

 またマッティー氏は、従来の会議室や会議スタイルにはさまざまな面で無駄があり、効率や効果が低いことを指摘。Cisco Sparkのサービスやデバイス群は、企業の会議室、さらに会議スタイルを変革し、チームワークの効率や効果を最大化していくためのものだと説明した。

 「シスコでは、働き方改革は“会議改革”から始めるべきではないかと考えている。現状の(効率の悪い)会議を変えていく手段となる、製品やソリューションを提供していく」(マッティー氏)

「KDDIとの協業により一気に全国展開を狙う」

 今回発表された協業に基づき、KDDIでは今年7月より全国で、SparkとSpark Boardの販売を開始する。

 さらにKDDIとシスコでは、Sparkの音声通話/音声会議機能とKDDIの音声基盤(PSTN:公衆回線網)とを連携させ、固定電話番号(0AB~J番号)を使ったSpark端末の外線発着信、あるいは公衆回線網経由でのSpark音声会議参加といったことを可能にする。加えて、顧客企業内のPBXを不要にするクラウドPBX機能も提供していく(いずれも現在開発中)。

SparkクラウドとKDDIの公衆回線網を連携させ、固定番号での発着信やクラウドPBXなどを提供していく

 発表会に出席したシスコシステムズ 代表執行役員社長の鈴木みゆき氏は、「今回のターゲット市場はSMBマーケット、中堅中小企業」だと語った。「中堅中小企業のお客様は、これからは『設備投資』ではなく、クラウドを通じて柔軟にサービスを享受したいと考えられていると思う」(鈴木氏)。

 鈴木氏は「KDDIの魅力は全国展開ができる(販売体制)」だと述べ、固定/モバイル/インターネット網を持つKDDIと協業することで「全国へ一気に普及できると確信している」と期待を語った。

 また、KDDI 取締役 執行役員常務 ソリューション事業本部長の東海林崇氏は、従来の同種ソリューションは顧客ごとにシステムを“作り込む”必要があったのに対し、Cisco Sparkは大きな初期投資なしで簡単に利用開始できる点を高く評価していると語った。「Sparkによって日本の企業の働き方が変わる。大企業だけでなく、中堅中業企業でも、幅広い形で使っていただけるのではないか」(東海林氏)。

 もうひとつ、東海林氏はSparkの音声品質が高いことにも触れた。KDDIが独自に行った音声品質評価試験では、他のクラウド音声通話/VoIPサービスと比較しても圧倒的に品質が安定しており、「音声チューニング技術が優れている」と語った。

 なお、KDDIからのCisco Sparkサービス提供価格については、後日発表するとしている。また、Cisco Spark Boardの市場想定価格は50万円台から(税抜、保守サービス含まず)、Cisco Spark Room Kit/Plusは50万円台から(同)で、Spark Boardを中心に「年度内に2万台」(シスコ マッティー氏)の販売を目標としている。

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