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PCライフサイクルマネジメントのクラウドサービス「Simplit Manager」無償提供開始

業務PCも「所有から利用へ」転換、横河レンタ・リースが新サービス

2016年11月30日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 法人向けPCレンタル事業などを手がける横河レンタ・リースは11月29日、業務PCのライフサイクルマネジメントサービス「Simplit Manager(シンプリットマネージャー)」を提供開始した。業務PCの計画/調達/導入/運用/リプレースといった一連のプロセスをセルフサービス化/自動化し、企業の情報システム部門における作業を省力化するクラウドサービス。

 このサービス(スタンダードプラン)は、同社レンタルPCサービスの顧客かどうかを問わず、無償で提供する。代表取締役社長の金川裕一氏は、企業の業務PC導入がいまだに「所有モデル」にとどまっていることを指摘し、これを「利用モデル」へと転換していく狙いがあると語る。

発表会に出席した横河レンタ・リース 代表取締役社長の金川裕一氏
「Simplit Manager」サービスの概要。PCライフサイクルマネジメントにかかわる業務プロセスを自動化/省力化する

業務PCのライフサイクル管理にまつわるプロセスを自動化「Simplit Manager」

 Simplit Managerでは、業務PCのライフサイクルマネジメントにかかわる「カタログ機能」「申請手配機能」「棚卸し機能」「IT資産管理機能」「イベント通知機能」「リプレース支援機能」といった機能が一括提供される。これを利用することで、情報システム部門におけるPC運用管理業務の標準化と自動化、可視化が図られ、煩瑣なPC運用管理業務の効率化が促される。

 企業内のエンドユーザーは、あらかじめ管理者が用意した標準PCのカタログ画面(ポータル画面)にアクセスし、利用したいPCを申請する(カタログ機能)。申請から承認者による確認、情報システム担当者による発注手配までのプロセスは、Simplit Managerによりワンストップで管理される(申請手配機能)。

 業務PCの調達後、利用者や備品番号などの資産管理台帳(データベース)への登録は、PCの初回利用時にエンドユーザー自身が専用の「棚卸しツール」を使って実行する(棚卸し機能)。この台帳によって、利用者情報やインベントリ情報、ロケーション情報、契約情報が一元管理され、可視化される(IT資産管理機能)。

 調達時に設定されたレンタル期間の満了時には、自動的にアラートメールが送信される(イベント通知機能)。この通知を受け、エンドユーザーはふたたびカタログ画面から新しいPCを申請できる。ここでは、旧PCから新PCへのデータ移行をエンドユーザー自身で実行するツールも提供される(リプレース支援機能)。

 なお、IT資産管理などの機能は、PCだけに限らず、業務用に導入されるタブレットなどにも適用できる。

Simplit Managerが提供する各種機能

 上述の機能群がクラウド型で提供されるSimplit Managerのスタンダードプランは、初期費用、月額費用ともに無料。クラウドサービスに加えて、横河レンタ・リースによるBPO(業務プロセスアウトソーシング)サービスを有償で受けることもできる(料金は個別見積もり)。もちろん、同社レンタルPCサービスとの組み合わせも可能だ。

 横河レンタ・リースでは、2018年3月期までに「500社」での利用を目標としている。利用申し込みは同社サイトから。

PCだけがなぜ「所有モデル」なのか? 「利用モデル」への転換を促す

 Simplit Managerを提供開始する理由について、金川氏は、企業における業務PCの導入モデルを「所有から利用へ」と転換していくためだと語る。

 企業ITの世界において、すでに業務アプリケーション(ソフトウェア)やデータセンター(インフラ)に関しては、SaaSやIaaS/ホスティングなどの形で「利用モデル」への転換が進みつつある。だが業務PCに関しては、いまだに「所有モデル」が根強いのが実情だ。

 「現在、まだ9割の日本企業が業務PCを『購入/リース』しており、『レンタル』で利用している企業は1割。これを逆転させていきたい」(金川氏)

 利用モデルに移行することで、運用管理コストの削減、故障時の迅速な代替機提供、社員数変動への柔軟な対応など、さまざまなメリットが得られる。その一例として金川氏は、「常により新しいモデルのPCを利用できる」点を挙げた。

 通常、購入(またはリース)で業務PCを調達すると、エンドユーザーは同じモデルを4年間(減価償却期間)以上使い続けることになる。一方でレンタルモデルならば、たとえば「2年ごとに最新モデルにリプレースする」といった利用スタイルも取れる。PCそのものは横河レンタ・リースが大量購入で安価に調達し、古いモデルはより安価に利用したい企業に再レンタルしたり、中古市場で売却したりするので、最新モデルをお得に利用できるわけだ。

日本企業で主流の「購入/リース」モデルから「レンタル」モデルへの転換メリットを強調

 Simplit Managerは、こうした動きを促進するための「強力な武器」になると考えていると、金川氏は語った。同社のレンタルPCを利用している顧客だけでなく、現在は購入/リースでPCを調達している企業にも広く無料提供することで、「所有」という企業文化を変えていきたいという。

 また、横河レンタ・リースでは、すでに“データレスPC”を実現する「Flex Work Place」も提供しており、レンタルPCサービス、今回のSimplit Managerと組み合わせ、業務クライアントを安全、便利なサービスとして利用する“Workspace-as-a-Service”が実現すると、金川氏は説明した。

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