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学生向けの技術者育成プログラム、アシアル「Monaca/Onsen UI」との連携も発表

“Linuxのレッドハット”からの転換、ホワイトハーストCEOが語る

2016年10月06日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは10月5日、東京でプライベートカンファレンス「Red Hat Forum」を開催した。OpenStackエンジニア育成を目指した学生向けプログラムの国内提供開始、HTML5モバイルアプリ開発基盤の提供における協業を発表している。

記者説明会に出席した、米レッドハット社長兼CEOのジム・ホワイトハースト(Jim Whitehurst)氏
米レッドハット アプリケーションプラットフォーム担当SVPのクレイグ・ムジラ(Craig Muzilla)氏

“Linuxのレッドハット”からの転換、デジタル変革のためのIT基盤を提供

 記者説明会では、来日した米レッドハット社長兼CEOのジム・ホワイトハースト氏と、同 アプリケーションプラットフォーム担当SVPのクレイグ・ムジラ氏も出席し、最新のビジネス概況や、デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション)の時代に求められる業務アプリケーションプラットフォームのあり方、レッドハットとして提供するソリューションなどを説明した。

 レッドハットのビジネスは依然、堅調だ。最新の四半期(第2四半期、2016年6~8月期)の売上高も前年同期比で19%伸び、これで「58四半期連続」の成長となる。

 分野別に見ると、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のサブスクリプション売上は前年同期比18%のプラスだが、ミドルウェア/アプリケーション基盤製品が同33%増と大きく上回る。今年4月に日本法人社長の望月弘一氏が説明したとおり、RHELとその他製品との売上比率は現在「8:2」だが、2020年までにこれを「5:5」へと変えていく方針を掲げている。このビジネス転換も順調に進捗しているようだ。

 「戦略的なIT活用を進める顧客が増えれば、(RHELサブスクリプションだけでなく)ソリューションの提供がより求められるようになる。すでに大型案件の7割は、RHELだけでなくソリューションとしての提供となっている」(ホワイトハースト氏)

レッドハットの製品ポートフォリオ。「10年前はLinux製品しかなかったが、現在は27製品まで拡大している」(ムジラ氏)

 ホワイトハースト氏は、「レッドハットは今後も成長を続ける」と自信を覗かせた。現在はあらゆる業界が既存ビジネスの「破壊と再構築」に迫られており、企業はIT/デジタル/ソフトウェアの力を必要としている。俊敏なソフトウェア開発/展開のためにはDevOps環境が求められ、その実現のためにOpenStackやアプリケーション基盤製品が求められる。これが今後も成長を続けるとする根拠だと、ホワイトハースト氏は語る。

 「ITはもはや、バックオフィスだけを支えるためのものではない。エンタープライズがこれを認識することで、イノベーションをドライブし、マーケットシェアの獲得にもつながっていく」(ホワイトハースト氏)

 日本国内でも、徐々に「Red Hat OpenStack Platform」の採用が拡大している。ホワイトハースト氏は、日本国内の顧客事例としてNTTデータ、ドワンゴ、フリービットを紹介した。

日本国内の「Red Hat OpenStack Platform」顧客を紹介

 続いてムジラ氏が、デジタル変革において企業ITに求められる要件と、レッドハットのソリューションを紹介した。

 ムジラ氏は、要件は3つあると説明する。業務アプリケーションにおいてマイクロサービスのアプローチを可能にする「アーキテクチャ」、アジャイルで連続的な開発と展開を可能にする「プロセス」、そしてその両方を可能にする新しい「プラットフォーム」である。

 この「プラットフォーム」が、現在レッドハットが提供しているソリューション群に当たる。ムジラ氏は、ミドルウェア群にLinuxコンテナ技術、コンテナの自動管理技術を統合した「Red Hat OpenShift Container Platform」と、マイクロサービスを実現するミドルウェア+サービス群を紹介した。

PaaSからコンテナプラットフォームへと進化したOpenShift、マイクロサービス化を可能にする各種ミドルウェア+サービス群

 ムジラ氏は、旅行業界向けアプリケーションを提供するアマデウス(Amadeus)や、大手通信事業者であるボーダフォン(Vodafone)を例に挙げ、こうしたプラットフォームが新規ビジネスの立ち上げ、デジタル変革の推進に求められることを強調した。

 航空チケットの予約アプリケーションを提供してきたアマデウスでは、新たにホテル予約ビジネスに参入するにあたって、OpenShiftと「Red Hat Enterprise Application Platform(EAP)」をベースとした環境を選択した。またボーダフォンの場合は、OTTのメッセージングアプリ事業者に対抗するためのアプリ開発を、同じくOpenShift+EAPベースで進めているという。

OpenShiftやJBossの導入事例

アシアル「Monaca/Onsen UI」との連携、学生向け技術者育成プログラムの提供

 同日発表されたレッドハットとアシアルの協業では、MBaaS(Mobile Backend as a Service)の「Red Hat Mobile Application Platform」と、アシアルのHTML5アプリ開発基盤「Monaca」やHTML5 UIフレームワーク「Onsen UI」とを相互補完的に機能連携させることで、クロスプラットフォームに対応したモバイルアプリのライフサイクルを包括的にサポートする開発基盤を提供する。

 なお、すでに日立製作所が、この連携ソリューションをエンタープライズモバイルアプリの開発に活用している。

発表されたレッドハットとアシアルの協業内容

 もう1つは、学生向け技術者育成プログラム「Red Hatアカデミー」の国内提供開始だ。大学/専門学校/高専などの学校法人を通じて提供するもので、RHELの基本知識や技術、OpenStack Platformの実践的な利用など、4コースのカリキュラムを提供する。

 レッドハットでは、このプログラムをプロフェッショナルなIT技術者育成のための社会貢献活動と位置づけており、学校法人あたり10万円(税抜)で提供する。また、講師/教授向けコースの受講料、認定資格試験の受験料も、通常価格から50%のディスカウントが受けられる。

 すでに米国では2014年から、欧州では2015年から提供をスタートしており、OpenStackトレーニングに関してはグローバルで1万人以上が受講しているという。国内のファーストユーザーとして、東京電子専門学校が10月からOpenStackコースを開講しており、さらに来年にはRHELコースも順次開講する予定。レッドハットでは、2018年2月末をめどとして、全国で約100学校法人への導入を目標とする。

国内提供を開始した学生向け技術者育成プログラム「Red Hatアカデミー」

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