Apple Watchは再び勢いを取り戻すことができるか
Appleが発表したのはiPhone 7/7 Plusだけではない。そう、2015年4月に登場以来、2世代目となるスマートウォッチ「Apple Watch 2」だ。
Apple Watchを別イベントで発表しなかったところに意図を感じるが、市場をチェックしておくとApple Watchは期待されていたほど成功しているとはいえない。IDCが発表した2016年第2四半期のウェアラブルデバイス市場調査でAppleのシェアは7%。これは、発売直後を含む前年同期の20.3%からの56.7%の縮小となり、出荷台数は56.7%減少している。順位も、2位の座をXiaomiに譲って3位に下がった。なお、Appleは今年春にSportエディションの値引き(50ドル)を行なっているが、その効果が出ていないのかもしれない。
1位は、日本でも本格展開がはじまったFitbit。シェアは前回から0.5ポイントアップの25.4%となり、前回は4ポイント差に詰め寄られたAppleとの差をしっかり開いた格好だ。なお、スマートウォッチでAppleに先駆け、IFAでも新作(Tizenベースの「Gear S2」)を披露したSamsungは、上位5社に入っていない。
FitbitもXiaomiもあくまでフィットネス重視のリストバンドであって、Apple Watchのような多機能さを備えていない。だが、メリットが明確である点が売れている理由だとIDCは分析している。IDCではウェアラブル市場の現状として、スマートウェラブルは早期段階としている。過去に使っていたが、充電が面倒な割に明確な用途が見いだせないという層は多そうだ。実際、Forresterのデータでは、北米市場のウェアラブル(スマートウォッチとフィットネスバンドなどを含む)利用は2015年の21%から14%に減少しているとのことだ。
Apple Watch 2は防水、GPSなどの機能を持つが、全体として初代とあまり変わっていない。スマートウォッチがいよいよ離陸という予感はあまりしないが、どうなるだろうか。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? -
第331回
スマホ
2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に -
第330回
スマホ
iMessageが使えるAndroidアプリが作られ、すぐ遮断 そしてRCS対応 吹き出しの色を巡る攻防 -
第329回
スマホ
10月の世界でのスマホ市場は前年同月比5%増 なんと27ヵ月ぶりで暗黒時代を脱出したかもしれない - この連載の一覧へ