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コグニティブサービスによるSystem of Innovationの世界へ

クラウドネイティブの次を見据えた「IBM Cloud Platform」

2016年07月08日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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SoftLayerとBluemixのIDを統合!既存資産をAPI経由で利用可能に

 さて、前述したクラウドサービスとクラウドソフトウェアの統合はIBM Cloud Platformにおいて大きな意義を持つ。従来、異なるサービスとして提供されていたSoftLayerとBluemixだが、新規アカウントではIBM IDで統一され、ユーザーインターフェイスも統合された。Bluemix上からIaaSもPaaSも制御できるようになり、「プラットフォームの完成度が上がってきた」(三澤氏)というのがこの半年の大きなハイライトだ。

新規アカウントではIBM IDでSoftLayerもBluemixも利用できる

 また、「優れたサービスだけでは、日本企業のシステムをモダナイズすることができない」(三澤氏)という考え方から、「IBM Cloud Managed Services」も拡充。ハードウェア、ハイパーバイザー、OS、データベース/ミドルウェア、アプリケションなどのさまざまなレイヤーごとに、コンサルティングやマネージドサービスを提供できるのも大きなメリットだと説明した。

 さらに、既存システムのクラウド連携を促進すべく、オンプレミスのデータやアプリケーションをクラウドで利用するためのツール群「IBM Connect Series」も充実させる。IBM Connect Seriesを利用することで、既存のSoR資産を容易にAPI化することが可能になる。API公開も迅速にでき、しかもセキュリティも確保。三澤氏は、「オンプレミスのz SystemやWebSphereのシステムをREST APIとして見せることができる」とのことで、IBM WebSphere Connectや業務アプリ向けのIBM App Connectなどは2016年12月まで無償で提供されるという。

既存システムのシステム連携を促進する「IBM Connect Series」

IBM Cloudの真価は「プルーフされていること」

 三澤氏が最後に言及したのは、ヴイエムウェアやSAPとのグローバルパートナーシップや戦略的な買収だ。

 買収に関しては、ビデオソリューションのClearleapやUSTREAM、データカンパニーであるWeather Company、OpenStackのサービスプロバイダーであるBluebox、Node.jsによるAPI開発を実現するStrong Loopなどを立て続けに傘下に入れている。

 また、ヴイエムウェアとの提携では、VMware on IBM Cloudということで、vSphereやVMware NSXなどをサブスクリプション課金で提供する。VMDKファイルをコピー&ペーストでIBM Cloud上に移行できるほか、L2延伸によってデータセンター間のvMotionを実現。VMwareのスキルをIBM Cloud上でそのまま利用でき、今後はVDIまで提携範囲を拡大していく。

vSphereやNSXをサブスクリプションで利用できるIBM Cloudのメリット

 SAPとの提携では、「IBM Cloud for SAP Applicationスタートアップバンドル」の提供により、最新のSAP製品のPoC(Proof of Concept)が可能。マネージドサービスであるため、製品の管理スキルは不要で、非本番・本番の移行も同じクラウド上で行なえるという。

 まとめとして三澤氏は、IBM Cloudを採用すべき価値として「真のハイブリッド」「実現を支援するサービス」「オープンテクノロジーの採用」の3つを挙げる。なにより、銀行、保険、製造、通信・メディア、公共など多くの業種・業態で活用されており、既存の顧客ベースをクラウドとコグニティブサービスの世界に導くことで、他社に対するさらに大きな競争力を持つという。三澤氏は、「一番の価値はプルーフされていること。実際に採用され、システムが動いている」とアピールする。

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