このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

スーパー耐久鈴鹿戦レポート

国内レース史上初!クリーンディーゼルがスーパー耐久で優勝!

2016年06月24日 17時00分更新

文● 松永和浩 写真●松永和浩 編集●ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

前代未聞!国産ディーゼルが耐久レースを制した
鈴鹿のスーパー耐久

 6月12日に鈴鹿サーキットで決勝レースが行なわれた、スーパー耐久第3戦「スーパー耐久シリーズ 2016 第3戦 SUZUKA “S耐”サバイバル」。

 この鈴鹿の第3戦で国内レース史上初めて、ディーゼルエンジン搭載の国産車、マツダ デミオ XD SKYACTIV-D「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」がクラス優勝を果たしたのだ。

 この第3戦鈴鹿は、大会名の「SUZUKA “S耐”サバイバル」が示すとおり、特殊なレースフォーマットで開催された。通常の予選が前日の6月11日に開催されるのだが、予選通過できるのは上位3台のみ。4位以下はその日の午後に行なわれる敗者復活レース「セカンドチャンス100」という100分耐久レースに出場し、各クラスの規定順位以内で完走しなくてはならないのだ。ただし、ST-XクラスとST-1クラスは除外される。

 デミオXDが出場するST-5クラスでは「セカンドチャンス100」で5位以上、レース後の予選クラス順位8位以上でなければ、12日の決勝レースに参戦することができない。

 予選順位8位、「セカンドチャンス100」では5番グリッドとなったデミオXD。スタートドライバーは野上達也選手。「セカンドチャンス100」のST-5クラスポールポジションとは1秒以上のラップタイム差があるが、グリッドに並んだ監督やドライバーの井尻薫選手の表情には余裕が見受けられた。

 この「セカンドチャンス100」はドライバーチェンジが伴うピットインが2回義務づけられている。デミオXDは、100分レースであれば無給油で走り切れてしまうほどの燃費を誇っているので、なんと1周目でピットイン。Aドライバーの谷川達也選手に交代し、タイム差が開く前に1回目のピットを消化した。

 そして10周目にST-2クラスのマシンがオイル漏れにより出火。火はすぐに消し止められたが、漏れたオイルの処理のためにセイフティーカーが導入され、ここで各クラスのマシンの多くが1回目のピットインをするのだが、デミオXDはコースで周回を重ね続けていた。

 2回目のピットインで井尻選手にチェンジ。タイヤもフロントのみ交換でコースに復帰すると、最終的には2位、予選クラス順位で5位という結果となり、決勝レースへと駒を進めたのであった。

燃費と速さの総合力が
これからのレースを引っ張るのか?

 明けて12日の決勝レース。ST-5クラスの5番グリッドからスタートするデミオXD。昨年は全戦最後尾スタートという決勝グリッドだったが、今年は違う。

 スタートドライバーは谷川達也選手。ここから4時間の決勝レースが始まるのだ。

 多少小雨もぱらついたグリッド。各チームは最後の最後までタイヤの選択に悩んだようだが、デミオXDはスリックを選択。レインを選んだチームもあったが、スリックタイヤは最良の選択だったようだ。

 序盤、レインを選択したチームを抜き去り、ポジションを上げていく。しかしラップタイムで有利なガソリン車のライバル勢もポジションを上げていくために、結果的に順位の変動が元に戻りつつあるレース展開。このまま曇りで進んでいくのか、雨が降るのかどうか。すると、天気予報を上回る突然の大雨。

 ちょうど各車1回目のピットのタイミングとあって、ピットは大混乱の大渋滞。ここでデミオXDはピットインを1周遅らせる作戦に出る。川のようになりつつあるコースをスリックで1周走りきれたのは、「名人」谷川選手の技量によるところが大きいといえよう。また、その技量を信頼しきった監督の采配も功を奏した。

 ドライバーを井尻選手にチェンジし、コースに復帰。土砂降りの雨では速さ自慢のガソリン勢といえどもペースを落とさざるを得ない。ラップタイムにほとんど差がない状態で、周回を重ねていくデミオXD。井尻選手は2時間ほどのロングランを無給油、タイヤ無交換で走りきり、デミオは2回目のピットインとなる。これでルーティンのピットはすべて消化した。

 再び谷川選手にチェンジすると、もう後はゴールまで突き進むだけ。しかし、ガソリン車のライバル勢はルーティンのピットインのほかに、給油のためもう一度ピットに入る必要がある。優れた好燃費でピット回数を削減する、これこそがディーゼルエンジンの最大の強みだ。

 そしてライバル勢が3回目のピットインに入ると、デミオXD「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」はトップに立っていた。ガソリン勢、その中でも常勝といわれていたホンダ フィットⅢが懸命に追いかけてくるが、ラスト10分、デミオXDはさらにペースを上げて引き離すという、今までに見たことのない速さを見せてくれた。

 そして、4時間後のナイトチェッカー。デミオXD「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」は堂々のクラス優勝を果たしたのだった。

 これまで速さのみで勝負していたサーキットレースだが、こと耐久レースでは本当の意味で燃費が勝負のキーとなることを示したデミオXD「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。レースにも環境性能が重視される時代になってきたようだ。

前へ 1 2 次へ

ASCII倶楽部

最新記事

ASCII.jp特設サイト

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ピックアップ

デル株式会社